第104話 白の国の残された日々(羽琴の姫君)

そうして数日後の事


義兄とその幼い子供であるエイル・・エルトニアが

彼女の居住する屋敷にやって来た


「エリンシア姫様!叔母様!」幼い子供の明るい声

駆け寄り 腕を広げたエリンシアのその胸に抱きとめられるエイル


「まあ!エイル、エルトニア姫」


「エリンシア姫」


「お義兄様」呼ばれて 幼いエイルを抱きしめたまま 傍にいた男

エイルの父親に微笑む


「本当に 敵対していた黒の国へ行くのか?」


「はい」


「そなたには 申し訳ないと思っているよ

まさか、エイルが選ばれて 先々の事を思い困り果てていたら

エイルの身代わりになろうとは・・」


「身代わりなんて・・良いのです これで・・」


「私の事は心配なさらないで・・今回は平和条約の対等な取引

黒の国からは 黒の王子確 名前はアーシュランと言われたかしら?

その御方が 白の国に来られるそうですから」


「知ってるよ・・まだ彼も幼い子供で、私が預かる事になっている」


「!まだ幼い子供なのですか?」


「エルトニア、エイルより少し年上らしいが・・そう年齢は変わらないと

聞いている

そうだ、黒の王の家族達の絵姿を描いた絵が送られて来た

あとで見せてあげよう それに描かれてるだろうし・・」


「有難うございます 義兄様・・それにしてもエイル、エルトニア姫は

しばらく見ない間に大きくなられましたね・・


この子は両生体だから どちらの性を選ぶのでしょうね」


エイルのオッド・アイ 片方が茶味がかかった金色 もう片方は天上の青・・

可愛らしい整った容姿を ほれぼれと見る


「どちらの性を選ぶとしても 綺麗な子になるでしょうね・・ふふふ」


「お茶とお菓子の準備は出来ていますわ」


「本当?叔母様」


「ええ・・エルトニアが大好きなあの赤い果実テインベリーのケーキも用意してますよ」


「叔母様 羽琴も演奏してくださいますか?」


「もちろん! さあ中へどうぞ

後から リアン様もおいでになるそうですわ」


「リアン兄様も!楽しみ♪」


「うふふふ・・」楽しそうに笑うエリンシア姫


小1時間後ほど リアンが 

白銀の髪をした女ケンタウロスの騎士を

お供に伴い やって来た


「リアン兄様!」エイルは嬉しそうに声を上げる


「リアン様」微笑むエリンシア姫

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る