第97話 解放の呪文

アーシュは自らの血、血塗れのまま緩やかに呪文を暗唱する


瞳は宝玉の紅玉のように煌めき輝く、黒髪が風もないのに揺れている

長いエルフのような耳 魔法の力


足元から炎・・揺らめく・・・立ち上がる

戦士に絡みつく炎


だが彼はまるで 動じない

魔法の炎・・円陣を描き


動きを封じようとする・・が

彼の剣が炎を散らす


アーシュの呪文の暗唱は続く


炎は踊るかの如く、くねくねとまわっては再び動きを封じようとする

相手、手強い戦士、竜人セルトは戸惑い 動きは止まった。


ゆっくりと近づき、怪我をしてない手を上げて・・

その手を伸ばして首輪に触れようとする


彼、セルトの心を封印している 魔法の首輪を砕く為の解放の呪文を唱えはじめる


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