第42話 踊り子 アル・アルテイシア姫

「ふふふ・・」柱の陰から 女の含み笑いの声


「・・誰だ!」アーシュ


ウインクしながら 柱の陰から 現れたのは

先程の劇場の舞台で踊っていた銀の髪 あさ黒い肌の踊り子


「ちょっと お困りのよう・・本当に手を焼いてますわね・・」

クスクスと笑う


ぴと・・アーシュの後ろに回り込み

後ろから抱きしめ その豊かな胸をアーシュの背に押し付ける


「!」 その胸のふくらみを背に感じて 赤くなるアーシュ


香水の香り

この胸の感触 前にも同じく 抱きしめられた


「んっ! お前?まさか・・」

「ふっふふ・・気が付きました?」


「・・水よ」踊り子がそう言うと 彼女の髪は解き 

ふわりと広がった髪の銀色の染粉と肌の染粉を落とし 

本来の姿に戻るアルテイシア


「アル! アルテイシア!」

「んっふ・・加勢に参上しましたよ 我が愛しの王様」

アルテイシアは笑う


アルテイシアは 魔法の呪文を叫ぶ

「水の魔法! 魔法の水よ その敵を包み 砕け!」


何もなかった宙から生まれた 小さな丸い形を取った水が現れ

その大きな蛇のように 岩のゴーレムを包み 

グワシャン!と大きな音を立て砕く


「ちょっと 苦戦されてたみたいですね ふふ」アルテイア姫

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