魔女の左手への応援コメント
自主企画『【短編限定】より良い作品を書くための意見交流会』にご参加いただきありがとうございます。主催の森山満穂と申します。作品を拝読致しましたので、感想を書かせていただきますね。
小粋な語り口が物語のどこかクレイジーで怪しげな雰囲気を引き立てているというか、本当に話を聞いている客の気分になって楽しめる、入り込みやすい作品だなぁと思いました。
また、次々に醸し出される謎にどうなるんだろうと好奇心を掻き立てられて、ページをスクロールする手が止まりませんでした。純粋にストーリー展開が面白かったです。
また、匂わせる言い方をしていながらも、多くを語らない余白のある結末や、ちょっと綻びのある言い回しが人間味が感じられて、とても良かったと思います。
ですが、ちょっとサクサク進みすぎているかなという印象もありました。からっとした語り口なので流せるところもありますが、読んでいて違和感を覚える部分も少々ありました。本当は地の文も用いて語り手の表情とか魔女の力を得た手の描写とかを書いてみたら、もっと物語に厚みが生まれてわかりやすいかなと思うのですが、小話感覚で書いておられるということなので、例えば、魔女の占いが「手相」だったとか、キーとなる《手》に関連したキーワードを所々に使ってみるなどして、文章表現につながりを持たせてみると、さらにいい作品になるんじゃないかなと思います。
長々と失礼しました。あくまでも個人的な意見ですので、参考程度に読み流していただければと思います。スズヤさんの今後の執筆活動がより豊かなものになるよう祈っております。重ねてにはなりますが、企画の参加していただきありがとうございました。
最後に、誤用誤字を発見したので報告だけさせていただきます。
・懐は重く
→「懐は温かく」もしくは「財布は重く」に直すといいと思います。
・ポケットに手ぇ突っ込んで外をうろくかのどちらかだったらしい。→うろつくか
作者からの返信
こちらこそ興味深い企画へ参加させて頂きましてありがとうございます。
他の方へ粋なコメントを送ることが出来ずにいて、少々肩身の狭い思いですが。
お褒めの言葉もありがとうございます。とても励みになります。
物語へ厚みを持たせるご意見に関しては、それをすると短編にまとまり切らなくなりそうだったので、敢えて語りのみのあっさり仕立てにしております。まさにさらりと読めるものを目指して書いたものでして。
占い方法を省略したのも、あからさまにせずに読者様の想像の余地を残す意図でしたが、なるほどそういうのもあるのか、と受け止めております。
恐らく最後の辺りで何故奴だとすぐわかったのかが疑問に思われたのだと勝手に推測し、一文を加えてみました。これなら如何でしょうか?
脱字のご報告もありがとうございます。早速修正致しました。
ちなみに懐は重く、の下りは常用外と承知の上でした。相手の懐を整理して軽くした結果、自分の方は重くなっている。そんな対比のつもりで用いたのです。温かいより語呂が良いかな、財布と直接書いてしまうのも味気ないかなと思ったのもあります。
しかしそう普通に誤用と受け取られてしまう可能性については失念しておりました。素直に温かくを採用させて頂きます。
私はこの通り議論上等の人間ですので、面倒臭いと思われて正面からのご意見を頂く機会が少ないのです。その点今回は有意義なお言葉を頂いて大変有難く思います。
もしまたご縁がありましたら、忌憚ないご意見お聞かせ下さい。
魔女の左手への応援コメント
幻想文学の一篇と言う感じの作品ですね。
個人的には怪異の描写が少しあっさり気味かと思いましたが、それをしてしまうと完全にホラー作品でしかなくなってしまい、独特の空気感が壊れてしまいそうですね。
オチのその後をいくつも思いを馳せる事ができる点でも素晴らしいと思いました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
そうですね、私自身この作品をホラーとして書いたつもりが無く、キャッチコピー通りの小話として仕上げました。
他の方のコメントにて、あ、これホラーなのかな? と思い至りジャンルを変更したところです。
余韻を残す点が気に入っているので、そこを褒めて頂けるのはとても嬉しいです。
魔女の左手への応援コメント
大変におもしろかったです。
短編好きの方に受けそうなネタ、そして他の方もおっしゃってるとおり、センスが(控えめでありながら)光ってる。
私が特に気に入ったのは、マスターが最後「包み」の話をしてましたが、マスターもなんか噛んでるんじゃない? っていうのがそこまで匂ってなかったところ。前半、スリの話が入ったので、「このマスターが本人じゃね?」と思ってしまい、それが違ったのでもう疑いが晴れて油断が生まれました。
私が勝手にミスリードに乗っただけかもしれませんが、とにかく、お見事! です。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
お褒めの言葉とレビューまで頂けて、とても嬉しいです。
最後については、私自身がこういった余韻を残す作風を好むので、敢えて多くを語らずに済ませました。
気に入って頂けたなら幸いです。
このお話は自分でもなかなかまとまっているかな、と思うのですが、ほとんど読んで頂けないのが悩みでして。
ジャンルカテゴリにしっくり来るものが無かったのでその他にしていましたが、崇期様のレビューを含めた他のコメントも見るに、もしかしたらホラーなのかも、と思って早速変更してみました。
これで短編好きな方の目に留まって貰えたらな、と思います。
魔女の左手への応援コメント
元気がいい左手は、腐る事もないんでしょうね。保存しやすくて便利。
作者からの返信
★とコメントありがとうございます。
それはもう魔女製ですから、防腐処理も完璧です。