第17話「エピローグ」
GM:ではエンディングに入りたいと思います。皆さんは見事全員を捕縛して、囚われていた少年少女達を助ける事が出来ました。
レイ:よかった!
レオン:よかったよかった。
GM:別働隊の赤枝の騎士団も無事残る賊を逮捕したようです。皆さんにはルーシディティ騎士団長から感謝状が届きますよ。
バジル:あんまり活躍してないのにいいのかな?
GM:オーバン隊長も「やったじゃないの」って褒めてくれます。
バジル:今回はレオンとレイに助けられましたよ。小隊長としてはとほほですが。
GM:「ま、そう言いなさんな。どっしり構えておくのが上に立つものとして大事『らしいよ』」
バジル:伝聞形!?(笑)
レオン:あの人も昔は剃刀オーバンって呼ばれてたらしいのになぁ。
GM:感謝状と言えば煙突掃除職人ギルドのマスターも銃士隊赤枝の騎士団双方から感謝状を貰って嬉しそうに部下や友人に見せびらかしているということです。
レオン:よかったよかった。
GM:かくしてエルーランを騒がせていた人身売買組織は王立銃士隊と赤枝の騎士団によって逮捕されました。
この事件により、今まで知られていなかった宮廷内で「銃士隊」の評判が聞かれるようになります。その事があるとんでもない事件の発端になるのですが、それはまた別のお話。と、言うわけで各自エンディングを演出していただきたいと思います。
◆◆◆◆◆
●レオン
レオン:じゃああれだ、報奨金の取り分でケーキとかお菓子とか買い込んで、子供達のところへ行こう。
GM:すると子供達は銃士ごっこに熱を上げています。
バジル:銃士ごっこ?
GM:あとは銃士隊と赤枝の騎士どっちがかっこいいかとか論争したり。ジャンは銃士派の筆頭みたいですよ。
レオン:妹がエトワールに憧れて、兄妹げんかになったりしてな。
GM:新しく来た子供達も歓声を持ってレオンを迎えます。「わー、銃士の兄ちゃんだ!」「本物のマスケット銃だ、すげー!」
レオン:まあ、弾は抜いてあるからいいけどね。君たちを攫ってきた悪い奴等は皆逮捕したよ。これからはこの街で自分の道を見つけて生きていくといいよ。
GM:「有難うございます。絶対僕、銃士になりますから」
バジル:まあ、施設が見つかってからもまた遊びに来いや。シチュー食わしてやるからよ。
GM:「本当ですか!?」そういうこというと入り浸りますよ?(笑)
レオン:しかし少年少女ということで見習い銃士隊みたいなものの結成を本気で検討してもいいんじゃないだろうか?
GM:少年ライダー隊とかベーカーストリートイレギュラーズみたいな感じですかね。面白いんじゃないですか?
レオン:勿論制度としてもそうなんだけれど、彼らが孤児として甘んじてしまう状況が一番悪いと思うんだ。この子達がどのような道を進むにしても、少年銃士隊という肩書きと仕事を与えて、それを誇りにさせる。そうしてそこで教えた教育が将来自立する上での助けになればいいんじゃないかと思う。」
GM:その話をオーバン隊長にすると「ケストナー卿に相談してみるよ」と重い腰をどっこいしょと持ち上げて銀嶺城へ向かいます。しばらくして、それなりの予算とともに許可が下りますよ。
レオン:ついでにエトワールのところにお礼にいったときにこの話をしてみよう。
GM:「面白いじゃないか! 銃士隊に軍師レオンありだな」
レオン:いやいや、私などあの隊長に比べればまだまだですよ。
GM:「前回の捕り物で、私も銃士隊のやり方が分かってきた。今後は良いところを真似させてもらうよ」
レオン:「それはこちらも同じですので」
GM:「そうだ、レイに伝えてくれ。彼女に食ってかかっていたあの騎士、コランタンと言うのだが、銃士隊との共同作戦で思うところがあったらしい。最近仕事ぶりが変わってきた。礼を言う」
レオン:それはそれは。彼女もきっと喜ぶでしょう。
●レイ
レイ:私は銃の手入れをしながら子供たちのことを思い浮かべています。そういえば私はあの子達位の頃は銃を握っていたなぁ。子供達は銃だ剣だと騒ぐけれど。私の初めての任務はあまりいいものじゃなかった。
「おじさま、何で私には、パパとママが居ないのでしょうか?」
ちょっとした苛立ちから発した「言ってはいけない言葉」。
あの時、養父が見せた悲しそうな顔をレイは忘れる事ができない。
確かに自分は、養父に戦う術を教えられて、銃を振るって生きてきた。
だが、自分のような人間は「特別」であるべきだ。普通の子供を、生死に関わるような状況に追い込むべきではないし、お金のためにそれをやる人間は許せない。
だから、レイ・スフェラは銃士隊で戦うのだ。
GM:まあそこら辺の事情はおいおいやっていきましょう。
レイ:人工生命ですからね。せめてあの子たちには光りある未来を。そう思いながら手入れを終えて夜の街に消えていきます。
●バジル
バジル:あの事件から何日かたったある日の夕方。広場のベンチに腰掛けて。「平和だなぁ。今日も事件が無くて良かった良かった。俺はこういう時間が好きなんだよ。のんびり」
レオン:君凄い勢いでオーバン隊長の事追いかけてるぞ(笑)
バジル:さて飯を食いに帰るか(笑)
GM:ではそんな時、いつもは早くに出勤してくるアコさんが、定時ぎりぎりにやってきます。
バジル:アコさん。おはよう。何かあったのか?
GM:「……」
バジル:アコさん?
GM:「えっ? ヒールですか? すみません。いまちょっとMPに余裕なくて……」
バジル:調子悪いなら、今日は休んだ方が、急ぎの仕事があるなら変わるけど?
GM:「いえ、大丈夫です!」
アコさんは無理に笑って、いつもはやらない力こぶをつくるポーズをします。バジルが何か言う前に「では、仕事に入りますので」と行ってしまいます。
バジル:……心配だな。
ひとつの事件がおわり、銃士たちは日常へ帰ってゆく。
しかし、解決したひとつの事件はやがて雪崩のように大きな動きになってゆく。
時は聖暦1006年。エルーラン王国に、動乱の時代が訪れようとしていた。
第1章「エルーランの銃士隊」完
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