⑯普通のお話だと思ったのに……という読者の微妙な反応を回避したい。

今日もゼロから講座の動画17時アップです。


 リンクはこちら。

https://youtu.be/bld11DElESU


 今日話したのは、


・『あらかじめそのファンタジー要素がその舞台に前提としてある』タイプのローファンタジー作品ってどう書いていけばいいのか。

・「普通の物語だと思ったんだけどね……」という読者の微妙な反応は、上手く書けてない証拠かも、と考えた方がよい。

・あっと驚かそう、という意気込みは大事だけど、小説の場合は基本的に、登場人物に対する共感を優先した方がベターだと思う。

・具体的には『1年後地球が崩壊すると確定している世界』の設定を紹介するところを説明してみる。

・↓実際に書いた一文


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(ゼロから講座引用)


 今朝もトウヤから手紙が届いた。最初に届いたのが9月の9日だったので、いやでも数えてしまうけれど、ざっと31通目だ。

 つまり、今日は10月10日で、手紙は毎日届いてるってこと。

 それに対し、私は一度もリアクションしていないってこと。

 手紙を返さないどころか電話もしないし、ラインもしない。いや、そもそもラインのアカウント知らないし。メアドなら知ってるけど。

「……なんでいまさら」

 内容は、最初のうちは確認していたけれど、今となっては封も開けない。

 9月9日、元カレのトウヤは私に会って話がしたいという旨の手紙を送ってきた。私の心の中はこうだ。

「そっちはそっちで、勝手に幸せに生きればいいのに」

 私はその白い不格好な封筒をくるっとねじって潰し、ごみ箱に捨てた。

「どうせ、もうすぐみんな死んじゃうんだし」


   ***


 地球にとある小惑星が接近しているというニュースが世間を騒がせたのは、いまから11ヶ月前のこと。つまり去年の11月10日のことだ(もう少しで『1』が6つも並ぶところだったのに、惜しいな)。

 その日のテレビは、どのチャンネルをつけても同じ映像しか流れなかった。NASAの偉い人が大量のカメラフラッシュを浴びながら記者の質問に応えている場面だ。

『つまり、このままいくとその小惑星が地球に衝突するとのことですが、具体的に、それはどれくらい先の話でしょうか?』

 偉い人は『我々の試算によると……』と、言いづらそうに溜めを作り、資料を持つ手を下げ、顔を上げ、正面のカメラを見つめてこう告げた。

『ちょうどあと、1年後です』


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(今日の学び)


 こんな感じで書きました。小惑星、ベタですね。もっと別の、何かおかしな現象が世界を徐々に襲ってきている、みたいなそんな物語にすればよかったかな。


 とりあえずそんな感じで、参考になるかはわかりませんが、ローファンタジーな設定があるうえで、それをどういう構成で、どんな書き方をして、何に注意していけばいいのか、ということを実際に書きながら解説してみました。


 読者に納得してもらいながら読み続けてもらうためのフォーマットとしては、必然的にこんな感じになるのかなと思います。


 最初にファンタジー描写というか、そういうあり得ないことが起きてますという感じの描写からスタートさせて、そこに向かって逆算するような感じでふり返って物語をスタートする場合もありますが、小説の場合は『感情移入が大事よ』という話はラジオでも話している通りなので、どちらかというと普通に始めてジャブを打っていくやり方の方が、成功しやすいかなと思います。


 次は異世界転生・転移か、あるいは飛んでハイファンタジーのお話をしようかと思います。


 ちなみに明日10月18日のゼロから講座と気になるどーラジオはお休みです。


 あと、ラジオが妙に好評です。ありがたい限りです。


 またお会いしましょう。

https://youtu.be/bld11DElESU


 


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創作コーチ


尾崎ゆうじ


(note) https://note.com/ozaki_yuji


(youtube) https://www.youtube.com/channel/UCu54sC6pviWQUC1eA6dqDKg/featured?view_as=subscriber 


(初~中級者向け創作情報の発信も『気になるどーラジオ』)

https://stand.fm/channels/5f810a3bf04555115d146941

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