学んで得する

大学教育において一番重要な事は卒業も当然のことであるが、それ以上に就職訓練校としての存在意義だろう。私は学部は研究機関とは言い難い大学を卒業したので漏れず溢れず就職した。一社目に入った時にはすごい頭を使ったし、実地で学べる事の面白ささえ感じていた。4件目が取れるあたりで、自分に他人の将来を背負うことは難しいと思い、離職を決意した。その後は研究機関としての大学に通うことになったのだけれど、得したなと思うことは学力もさることながら大学というネームバリューだと思う。どこの就職口に行っても必ず面接は最終まで残れるし、どこに行っても煙たがられることがないのでなるほどこれは得したなとつくづく感じたのである。とはいえネームバリューでヒットしたのは私がクリティカルに大学を決めただけで一般論はもう少しずれているのだと思う。これから大学を目指す人がいるとするならばネームバリューだけで決めるのは少々まずいと今では思っている。学習レベルが自分の身の丈に合っているのかを重視するべきであると口を酸っぱくして周りには助言するようにしている。それこそ3回生までは難なくとこなせると思う。(カンニングをして切り抜ける方法も)しかし、4回生からは研究が自分の下に転がり込んできて、毎日アウトプットをしろというのだ。インプットは簡単だけれどもアウトプットするのは正直あんまり簡単ではない。例えばプログラミングを考えてみよう。これは一番初歩の初歩でコンピュータに計算の仕方を教える作業に過ぎない。故に簡単なプログラムでさえごく初歩的な構文から始まっていく。頭で考えている事がプログラムになるような人はほぼほぼいないといっていいだろう。もちろん社会にでたらそういうパターンもあるかもしれないが。学んで得する事の真相は頭がいいことではなく、いかにうまく功績をあげられるかだろうと思う。コンピュータに教えられる程度の頭があればどんな企業でもそこそこのところまでは目指せるだろう。学んで得をするというのは身の丈に合った大学に入ることで身の丈をほんの少し、伸ばすことができる程度である。

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