Trick "and" Treat
@hoge1e3
ゴースト
俺の名は川崎 祐一。しがない高校生だ。朝、そろそろ出ないと電車に乗り遅れる、という時に、アイツは現れた。
「トリック・オア・トリート!」
「誰だよ」
玄関先にいたのは、某RPGに出てきそうな、帽子をかぶったゴーストだった。
「イイカラ、トリック・オア・トリートダッテ!」
「何だっけそれ」
「コレダカラ日本人ハ……オ菓子ダヨ、オ菓子!」
「お菓子って」
「オ菓子クレナイト
「うるさい、俺は急いでいるんだ、しっしっ」
といって、玄関の外につまみ出そうとしたら、すり抜けやがった。
「バカガ、オレハゴーストダゾ。サッサトオ菓子ヨコセ。イイノカ、悪戯サレテモ」
……いたずらのせいで遅刻したら嫌だ。家にあるテキトーなお菓子でもあげてやり過ごそう。
ダイニングに戻って、今あるお菓子のストックを確認すると、余って学校から持って帰ってきた≪わかたけの村≫があった。いいや、これでもあげておこう。
「ほら、お菓子」
すると、ゴーストの奴、
「……フザケヤガッテ! ≪なめこの丘≫カ≪わかたけの村≫ダッタラ、≪なめこ≫ダロウ常考! アノ、カリットシタ
……ええと、もしかして、お化けの世界にもあるのか? なめこvsわかたけ論争。
わかたけは、あのチョコとスナック部分がちゃんと一体化しているところがとてもいい。なめこが好きなやつの気が知れないというのに。
って思ってたら、≪わかたけの村≫をバリボリ貪りながら消えるゴースト。おーい、食っとるやないけー。
あ! もうこんな時間! 出かけなきゃ、と駆け出す俺。すると、駅までの道中、歩行者用の信号という信号がすべて、俺が渡る直前に赤になるという怪奇現象が起きて、いつもの電車に乗り遅れた。ゴーストのいたずらだ。おかげで遅刻してしまったじゃないか!
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