02 私の押し、恰好良い


 そういうわけで、ヒロイック・プリンス第一章のシナリオ開始と共に、仲良く投獄されてたウォルド様と脱獄。


 見張りの目のかいくぐって、愛の逃避行かましてやったぜ。


 隠れた柱から顔だけひょっこりだすと、通りを慌ただしく走り回る兵士達。


「へっ、これくらいで慌てるなんて、鍛えたりねーな」

「それで、これからどうするんですかっ」


 逃げてる時ですら、余裕のウォルド様!


 私の推し、超格好良い!


 これぞ恰好良いウォルド様、略してかこルド様!


 なんて呟いてたら「雑魚っぽいな」と言われてしまった。不評だったようだ。


「無実の罪で投獄されたって言っても、あいつらがとりあってくれるわけがねぇ。なら、自力で真犯人を捕まえるしかねぇ」

「頑張りましょう!」

「お前はとにかく前向きだな」


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