06 押しと旅



 よーし、ウォルド様に気に入ってもらえるように、もっと他の部分で女子力をアピールするぞーっ!

 おっとっと、ウォルド様の旅の負担を軽減するのも忘れちゃいけない。


 心構えは、長時間残業で疲れて帰宅した夫を迎える優しい妻のように!


 妻!? まぁっ!?


 ぐへへへへっ。


 ウォルド様の妻だなんて、何て恐れおおい~。


「おーい、もどってこい。また、いつものか。顏引きしめとけ、通りがかった旅人が引くぞ」


 はっ、つい。


 ほっぺをぺしぺし。


 ウォルド様の連れとして恥じないような品を保たなくては!


 元からあるとは思いませんが!


 で、そんなこんなで真剣顔になった私がすまし顔で歩く。


 向かいからやってきた、旅人は私のあられもない顏に気が付かなかったようだ。


 ふーっ、セーフ!


 けど。その旅人が何を思ったのか、いきなり抜刀!


 ひえーっ。


 何?

 また、なんかこの世界の住人に気に障るようなことした!


 この世界に来たばっかりの頃に、露天のおっちゃんに迷惑かけたの思い出すわー。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る