第24話 中国で法人を設立するときに定款は、出資者が自由に作成できるのか

前回は「中国企業との合弁契約書について解説」と題して、割と大変な印象のある合弁契約書の作成ですが、ジョイントベンチャーを組む場合は中国に限らず、しっかりとした契約に落とし組むのが基本となってきますので気負わず淡々と進めていきましょう。


今回は、定款の作成ルールについて出資者の自由に決めて良いのかなどのご質問をよく受けますので解説させていただきます。


答えを先に申し上げますと、 定款は外資企業設立申請書類の一部をなすことから、一定のルールに則って作成する必要があります。


定款(中国語で「章程」)とは、現地法人の設立主旨・組織原則・経営管理方法などの根本原則を定めたものです。


「中外合弁企業法実施条例」第13条に、合弁企業の定款には次の事項を必ず記載しなければならないと定められています(合作企業・独資企業についても基本的には同様です)。


1.合弁企業の名称および法定住所


2.合弁企業の目的、経営範囲および合弁期間


3.合弁各当事者の名称、登記国、法定住所並びに法定代表者の氏名、職務および国籍


4.合弁企業の投資総額、登録資本、合弁各当事者の出資額、出資比率、出資方式、出資払込期 限および持分譲渡の規定並びに利益配分および欠損分担の比率


5.董事会の構成、職権および議事規則、董事の任期並びに董事長および副董事長の職責


6.管理機構の設置、事務処理規則並びに総経理、副総経理その他の高級管理職員の職責および任免方法


7.財務、会計および会計監査制度の原則


8.解散および清算


9.定款変更の手続


以上となりますが、いかがでしたか?要点さえ抑えてしまえばルールは最低限必要な取り決めだということがわかると思いますので逆にこれらが盛り込まれない定款も実態の会社を産んでしまうだけで意義があるといえます。


それでは次回は、この定款における経営範囲に関する条項について留意すべきことについて共有させていただきたいと思います。

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