第237話 欺瞞装置奪取
敵艦を航行不能にしたものの、まだ前部主砲塔と舷側の副砲群が残っていた。
タカオが後方がら接近すると、後方に向くことのできる副砲の一部が未だ射撃可能で撃って来た。
ドン ドン ドン ドン
前部主砲塔の射角に入らないようにと航行しているため、タカオの航路が特定されて副砲の命中率がやたら良い。
まあ、防御魔法陣で被害は無いのだが、少々うざったい。
『
主砲を避けるために副砲で撃たれるのならば、その主砲を壊せば良い。
いや、副砲を撃てよと思うだろうが、副砲は舷側に単装砲が並んでいるため、上空から破壊すると敵艦にダメージを与えてしまうのだ。
わざわざ沈めないように手加減をしているのだから、その手は使えなかった。
ゴン ゴン
『前部主砲塔の破壊を完了』
「よし、敵艦の左舷に回る。
対空重力加速砲用意、水平射撃で副砲を狙い打て!」
ドコ ドコ ドコ ドコ ドコ ドコ
タカオが敵艦の左舷に回り横に並ぶと、対空重力加速砲が発射され敵艦の副砲を潰した。
おそらく右舷側まで貫通して右舷副砲も破壊出来たと思われる。
これで敵艦の戦闘能力は失われたと見て良い。
さて、どうするか?
接舷して制圧をするには、タカオの人員が少なすぎた。
おそらく敵艦は乗組員が数百人いるだろう。
一方タカオは30人程度で運用しているのだ。
人対人び白兵戦では太刀打ちできない。
どうしたものか。
いや、そうだった。目的は艦首に搭載されている欺瞞装置なのだ。
それを奪えば良いだけだ。
敵艦にも乗組員にもこちらは興味がない。
「見張り員、欺瞞装置が見えるか?」
艦橋には敵艦を目視探索するための【鷹の目】スキルを持った見張り員が常駐している。
彼に欺瞞装置を探させる。
「艦首上甲板に何かのふくらみがあります」
「それだ!
第一魔導砲塔、光魔法、光収束熱線射撃用意。
目標敵艦艦首ふくらみの10m後方」
「照準完了」
「発射! 上下に薙ぎ払え!」
「発射!」
光収束熱線が上下に走ると敵艦の艦首がごっそり艦底まで切り取られた。
「【収納】!」
俺はその艦首が沈む前にインベントリへと収納して手に入れた。
これで欺瞞装置そのものを手に入れることが出来たはずだ。
それを解析すれば、何らかの技術的な手掛かりが得られることだろう。
どのような文明レベルの遺物なのか、複製は可能か、打ち破る手段はあるか、これは第13ドックでなければ調査不能だろう。今後に期待だ。
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