05 唯一神ウォルド様
あれこれうろたえているうちに、ウォルド様は自分で自分の看病をしだした。
おおっと?
器用ですね?
看病役はいらない?
というか私、役に立ってない?
「ウォルド様! おかゆなら私が作りますっ」
「パス。お前がつくると、せんべいになる」
ううっ、本格的に役立たずじゃないですん。
「なあ」
「何ですウォルド様。あっしのことは気にせずに、こんなちり紙にもならないごみ屑に話しかけるより、自分で自分の面倒みたほうが、ううっ、有意義ですのん」
「あんたたまに、いきなりテンション下がるよな」
「自分を客観的に見たらの巻。なので」
とにかく、ウォルド様が話しかけてきてくれたのは嬉しいので、傾聴。
「あんたの目には俺はどう映ってる?」
「イケメン」
「それ以外」
「えーっと、押し。神、唯一神」
「二番目と三番目はたいして違わねぇだろ」
おっと失礼。
「あんたは俺をことあるごとに評価してくるが、本当に旅の目的をなしとげられるとでも、思ってるのか? こんなざまでよ」
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