「火祭りの踊り」 ファリャ

<タイトル>


火祭ひまつりのおど


バレエ組曲「恋は魔術師」から


<作曲者>


マヌエル・デ・ファリャ


<おすすめ盤>


ロリン・マゼール(指揮)


ベルリン放送交響楽団


ドイツ・グラモフォン(レーベル)


<解説>


 スペインの作曲家ファリャの手になるバレエ音楽「恋は魔術師」の中の一曲で、作品自体はマルティネス・シエーラの台本から書かれました。


 アンダルシアなまりのジプシーの娘カンデーラの物語で、浮気者男の亡霊になやまされるも、本命の恋人であるカルメロと結ばれるという、ちょっぴりホラーな筋立てになっています。


 「火祭りの踊り」は特に人気のあるナンバーで、ファリャの代表曲のひとつでもあります。


 初演自体は芳しいとは言えなかったのですが、のちに作曲者自身が演奏会用組曲に編曲すると、親しまれる音楽となりました。


 これはクラシックではよくあるパターンですね。


 不気味な弦セクションに誘導され、あやしげなリズムが展開し、オーボエの主題が乗っかってきます。


 眼前に儀式的な光景が広がるかのようで、ファリャの表現力に驚かされます。


 彼はスペインの伝統音楽を、クラシック音楽に結びつけた第一人者であり、彼がいなければ、スペイン産クラシックは存在しえなかったとまで言われます。


 この曲は子どもの頃に購入した、「ミステリアス・クラシック」というコンピレーション・アルバムに含まれており、好んで聴いていたんです。


 おすすめ盤はまさにその音源だった、マゼールのものを推しておきます。


 比較的キャリアの早い時期に録音されたものですが、過不足のない演奏にもかかわらず、煮えたぎります。


 熱気の伝わってくるナンバーですが、むしろ夏場に聴くとテンションが上がるかもしれません。


 呪術的なリズムに興奮することうけあいです。

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