4缶目 広がり;そしてひとつの収束


1 「浅葱色のスカートが揺れた。」という文章を読んだとき、浅葱色を知っているかどうか、そんなちっぽけなことで見える世界が違うんだと気付いた。(と書いた)


2 だから、君が知ってる言葉を知って、君と同じ世界を見るために、今日もたくさん話をする。(と続けたら、僕には朱鷺色が広がったように見えた)


2 だから、貴方が遺した手記を読んでも私に見える貴方の世界はほんの少しだけかもしれない。(と続けたら、僕には赤錆色が広がったように見えた)


2 だから、一方の手に意味を知るための辞書を、もう一方の手に言葉を知るための本を持とう。(と続けたら、僕には桔梗色が広がったように見えた)


3 (言葉に縛られたくはないと僕は思った)



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