業は燃える

 業は内側に宿るものだ。決して他人の目には映らない。そのくせ、自身の目にも映らない。それが目に映ったとすればそれは燃えているときで、おそらくは手遅れか或いは解放のどちらかである。

 磔刑たっけいに処されロンギヌスの槍で貫かれたあの先導者は、おそらくその矛先によって炎を消され開放されたのだろう。原罪を背負ってあまねく人々のために死んだなど、あまりに救いがなさ過ぎる。どうして彼らは自分たちを救ってくれたあの先導者の最期まで無残なものにしたがるのだろうか。私としては彼が己のカルマから解放され、生命をまっとうしたと言う方が辻褄が合うのだが。

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