第14話 初恋
「初恋」とは何かという問いに対し
ある人は、「宝物」と答えた
「誰もたどり着くまでの道を知らない
でも、誰もがいつか見つける宝物だ」と
ある人は、「通過点」と言った
「誰もが一度通る道
でも、絶対に一度しか通れない通過点だ」と
ある人は、「花」と感じた
「あの日、自分が見付けた花だ」と
ある人は、「果実」だと
「実るか実らないかは分からない
実れば、この世で一番美しい果実だ」と
また、ある人は「毒」だと思った
「効き始めるのが遅い毒だ」と
ある人は、「呪い」だ
「誰も苦しまない呪いだ」と
私にとっては「料理」だ
「この世でたった一人しか作れない
何よりも美味しく、一度しか味わえない
のに、一生忘れない料理だ」
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