第5話 私の「幼なじみ」
私の「幼なじみ」はいいかげんな人だった
でも優しい一面もあった
小学六年生の時に
私の「幼なじみ」は私の「好きな人」
に変わった
中学二年生の時に
「好きな人」から「恋人」
に変わった
それから数年たった
二人とも就職した
それと同時に同棲を始めた
そんな彼との関係が一昨日また変わった
ひっくり返ったままの靴下
脱ぎ散らかした服
中、高校生の時にも、同棲を始めてからも
何度言ったことか
でも、今日は愛おしさが涌いてきた
途方もない悲しみと一緒に
「大好きだよ……」
部屋の中で一人
呟いた
何度言っても、どれだけ好きでも
絶対に届かない
一昨日
私の「恋人」は…
「世界で一番大好きな
いいかげんで
優しい
世界で一人だけの
私の幼なじみ」は
交通事故に遭った
即死だった
ひっくり返したままの靴下も
脱ぎ散らかした服も
今では全てが
懐かしい
愛おしい
「……大好きだよ……」
そう、呟いて
私は泣いた
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