楠大門さんから読み解くAAside

 どうもこんにちは、東美桜です!

 最近MDC本編の執筆をちまちま進めています。遅くともたぶん年明け辺りには公開すると思いますゆえ、お楽しみに!(ダイマ)

 ただ、何十万字レベルになりそうな連載のテーマを大学の友達に語ったところ、その答えを中盤のエピソードであっさり出しちゃった漫画を見せてもらえました。この何とも言えない悲しみをどこにぶつければいいんだろう。その子は「まぁ主人公のキャラとか事情とかがだいぶ違うから……」と言ってたのですけど……。


 さて、今回の寄せ鍋は……皆様既にタイトルでお察ししていることでしょう。

 その通りです。ダブエスの話です。

「前散々語っただろ!!」ってツッコミが多方面から聞こえてきそうですね! うん、すっごくよく聞こえる! けどまたしても語りたくなったのですよ……。そんなわけでしばしお付き合いいただけるとありがたいのですっ!


 今回はですね、名古屋発のV系バンド『Fantôme Irisファントムイリス』のドラマー・Dことくすのき大門だいもんさんにフォーカスを当てて語って参ります。(以下は便宜上、呼称を『大門さん』に統一してお送りします)

 ファントムは全員社会人で構成されているバンドなのですけど、この方は楽器カフェのオーナー兼夜間警備員でして。大きくて強面なので怖がられやすいのですけど、料理や裁縫みたいな細かい作業が得意だったり、お化けが苦手だったり……あと、繊細な機微がわかる人ですね。大人の落ち着きがある方なのです。


 大門さん関係のエピソードはいっぱいあるのですけど、今回は特に幼馴染みで同バンドのベーシスト・HARUこと御劔みつるぎ虎春こはるさんとの関係性にフォーカスを当てて語って参りますぜ。

 あ、バンド・楽曲・イベント等の各種ストーリーのネタバレをどっさり含みますので、ネタバレやだ! っていう方にはブラウザバックを推奨するのです。


 サービス開始初期から出ていたエピソードだと、ギター二人が揉めた翌朝のシーンが特に好きですね。なんでもひとりで抱え込もうとするギター1に「お前はもっと人に頼れ」と語りかけるシーンは包容力を凄く感じるのです。

 あとは別バンドの楽曲ストーリーになりますが、楽器カフェで売ってるヴィンテージもののベースを巡って虎春さんと別バンドの子が勝負することになるのです。そのあと別バンドの子に感想聞かれて言いよどむ虎春さんの背中を押すシーンも良いですね……。一瞬なのですけど、幼馴染ならではの距離感が表れていて好きです。


 さて、大門さんのが初めてメインを張ったイベントは『夜明けのサヴァラン』というものでした。別バンドのドラマー(界川さかいがわくん)と同時にメインを飾っていましたね。

 バンドメンバーと揉めて悶々としていた界川くんは、悶々としたままバーでのバイトに赴きます。その日来ていたお客様が他でもない大門さんだったというわけなのですよ。

 大門さんとの対話を通じてメンバーとむきあうことに決めた界川くんなのですけど、その対話の中で大門さんは言ってたのですよ。「納得できないなら、相手に思う存分ぶつけた方がいい」……と。この何気ない台詞が後々の伏線になるとは、当時の東さんは1ミリも思っていなかったのです……。


 まあまあ時間が経ちまして、虎春さんをイメージした楽曲『狂喜のメロディ』ならびに楽曲ストーリー『剥き出しの虎牙』が実装されました。

 このエピソードでは同バンドのメンバーが人質に取られるのですけど、そのメンバーを救出するために虎春さんと大門さんが背中合わせで不良に立ち向かうのですよ! 良いなあ……格好良いなあ……幼馴染み良いなあ……。あと地味に虎春さんの不良時代の話が聞けたのも嬉しかったです。

 というかこのエピソードが実装されてからもう半年経ってることに動揺を禁じ得ないです……。


 それからしばらく経過して、開催されたのがイベント『Janus』なのですよ!

 このイベントではボーカルの思いつき(定期)で、大門さんが曰くつきのヴァイオリンを弾くことになるのです。そのヴァイオリンは大門さんの祖父や父もかつて持っていたそうなのですけど……ボーカル曰く、「このヴァイオリンは演奏者の心の内を暴く」そうなのですよ。もともと無口な方が多かった大門さんの家族にとっては、惹かれるものがあったのかもしれません。

 さて、このエピソードで「大門さんと虎春さんの間には何かあるな」っていうのが示唆されたわけです。彼が奏でた音色はギター曰く「なんで、って問いかけているようだった」と……そしてそれに反応していた虎春さん……。さらに虎春さんは何かに対して罪悪感を持っているという描写もあり……?

 このエピソード読んだときは、底なし沼に爪先突っ込んだ気分でした。


 その後、満を持して大門さんをフィーチャーした楽曲『un:Mizeria』ならびに楽曲ストーリー『郷愁のMizeria』が実装されました!

 このストーリーは大門さんのお祖父様にまつわる、苦いけど心暖まるエピソードなのですよね。わけあって大門さんのお祖父様の形見のオルゴールが壊されてしまったのですけど、このオルゴールに入ってる曲は幼い頃の大門さんが作ったものをお祖父様が打ったものだそうで……。せめてその曲だけは残したいという大門さんを中心に、バンドの全員でリメイクしてできた楽曲が『un:Mizeria』というわけなのです。

 今の大門さんには仲間がいるんだよなあ……いいなあ……。

 あとこのエピソードで、大門さんのお祖父様と虎春さんの間にも繫がりがあると強調された点もポイントですね!


 ……そしてやって来ましたバンドストーリー五章。

 実は以前揉めたギター二人は今も気まずいままだったのですけど、この五章は別バンドの子たちとの交流を通して二人が仲直りする話でした。ここで出た子たちは曲のアレンジをめぐって揉めに揉めた挙句、片方が家を飛び出しちゃったのですよね。まぁ大門さんとギターの方のアドバイスで丸く収まったのですけど。ここで別バンドから、子供らしさは残ってるけど素直だったり柔軟性があったりするキャラをぶっこんで来るのがポイントなのですよ……。シンプルに配置が上手すぎる。

 さて、このエピソードの前半で、揉めてたギターの片方が「変に蒸し返すよりはこのまま放っておいた方が……」みたいに弱気になってたのですけど、そこで大門さんがビシッと言うのですよ。「気心が知れた相手だからこそ、小さなしこりがいつまでも消えないこともある」と。さっき言った別バンドの子たちも小さい頃から気心知れた間柄だったので、この言葉がより響くのかもしれないですね。


 そして五章の最後に、二人の間に遭った事件の一端が明かされまして。大門さんのお祖父様が危篤になった時、虎春さんにそれを伝えたのですけど、虎春さんは駆けつけなくて、それをきっかけに初めて喧嘩したと……。とはいえ虎春さん側にも何か事情があったみたいな匂わせがありますし……確実にまだ何かある……!


 ――さて、ここまでくどくど語って参りましたが、私が本当に言いたいのは!

 ダブエスさんの伏線構築能力が高すぎるってことなのですよ!


『夜明けのサヴァラン』の時点で、さりげない一節に伏線仕込んでたことに気付いた時はマジで感動しました……ダブエスさん凄い……崇めてまうやろ……。それに「虎春さんと何かあった」「お祖父様を凄く尊敬している」という手札を明かしてから、五章で大門さん側から見た過去の一端という重要なカードを示すわけじゃないですか! この点と点が線で繋がる感覚、きっと読者の皆様ならわかってくれるはず。

 思いがけないキャラの組み合わせから物語に深みが生まれるというソシャゲならではの展開もあって、キャラの個性だったり輝きを引き出すのが本当に上手いと思うのですよ! 全然違うタイプのキャラと絡ませるとそのキャラがより深まるじゃないですか……凄く良い……。


 あとダブエスさんはストーリーの引きが上手い。次に何が起こるか楽しみにさせる演出が上手すぎる。これは大門さん周辺に限ったことではないのですけど……特にある人との約束を守ろうとする絋にいや、家族との確執を解消できていない結人くん、人生を壊され復讐に燃える玲司くん辺りがメインのストーリーは特に引きが上手すぎるのです……これだからダブエスはやめられぬ……。

 そんなわけで、のちのち「五稜結人から読み解くAAside」とか「烏丸玲司から読み解くAAside」とかやり始めるかもしれないのですけど、その時は生あたたかい目で見守っていただけると助かります。


 さて、文字数が文字数なので今日はこの辺でお開きとしましょう!

 大門さんと虎春さんの間の確執がいつか解決することを願いつつ、東美桜がお送りしました!

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