やがては花を知る君のために、僕は火炎放射器のトリガーを引く
@bag3362
ちなみにこの世界では重さの単位は一ポトフです
「ヒィギヤァ~~~~~~~~~~~!!!!!!……………ポトフゥ!」
聖技暴暴拳に打たれたこのモヒカンの名は新井慎太郎。もはやこの名前が救世主に顧みられることはない。
救世主…ナマエゼッタイオボエタルド六世に顧みられることはないだろう。
特に走馬灯も断末魔もなく絶命した、いや断末魔はあったけどな彼は…
「………あれ…俺……死んだはずじゃ…」
「どうしたポフ?」「でっかいポフ。」「体が毛に覆われていない生物は初めて見たポフ。」「…始まったな」
彼の周りではウサギ、クマ、モケレームベンベ、ハジマッタナドラゴン等の皆様ご存知の動物のような…しかしまるで絵本か何かで見るような姿の「キューフィットアニマル」達が突然の来客を珍しがっていた。
「なんだぁ……俺が天国なんか行けるわけねえだろ……消毒するぞぉ……」
消火器を生前そうしてきたようにメルヘン動物に向ける。
「消毒してくれるんポフかぁ!?」「今キューフィットアニマルワールドでも三密が警戒されているのでありがたいポフ!」「…始まったな。」
でっかい機械にキューフィットアニマル達は興味津々であった。
「………やりずれえな…」
☆☆☆☆☆☆☆☆
「手洗いはしっかりするポフ!」「…へいへい」
「消毒液はちゃんと手にしっかり練り込むポフ!」「へい」
「マスクは…なんかメンポみたいなのしっかりしてるポフ。問題ないポフね。」
「ソーシャルディスタンスの話しかしねえなぁおめえら!!!!!!!!」
「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!ごめんなさぁぁぁぁい!!!」
「もっと時世を考慮しろ始まったな。」「…すいません」
そんなこんなでメルヘンな街で慎太郎は呆れながら、しかし穏やかに過ごしていた。
いつの間にかどこか刺激的な彼の言動は惰性的な生活を続けていたキューポップアニマルの心に火をつけ、慎太郎も彼らと共に生きる時を悪くないと
「ギャァーーーーーーーポフ!!!!」
「ど……どうしたぁ!?」
「あっアレは転生光ポフ!」
「なんだとぉ!」
現場へ急行した慎太郎とキューフィットアニマル達が目にしたのは…
「お…フェルナンデス・ナンデス・ウソデスチガイマス谷昌義のお頭ぁ!」
「ああん…誰だおめぇ」
恐るべし巨漢の男。元、新井慎太郎の上司。フェルナンデス・ナンデス・ウソデスチガイマス谷昌義だった。ちなみにフェルナンデス・ナンデス・ウソデスチガイマス谷までが苗字であり、昌義のみが名前である。
「…俺はエタルドの野郎にぶっ殺されて気が断ってんだよぉ…キュートだかキュースだか知らねぇが…ストレス解消材になりやがれぇ!!!!!!!!」
昌義がキュートアニマルを掴んで投げる!投げる!投げ飛ばす!「痛いポフゥ~~~!!!」
「止めてくれお頭ァァァァァァ!!!こいつらは…こいつらは現代ニッポニアから失われたソーシャルディスタンスを当然のように理解している凄い奴らなんですよぉ!!!」
「ソーシャルディスタンスがなんじゃぁぁぁぁ!!!!」
「…そ…それによぉ…結構いい奴らなんだよぉ…」
「うるせぇ!!!!」
「…いくらお頭でも…許せねぇ…」
慎太郎は元、お頭に向け火炎放射器のトリガーを引く。
「ふっ、温いわ!」
昌義も火炎放射器のトリガーを引いて応戦する。火の熱量はネギトロ炉心変換理論を取り入れている昌義の方が遥かに上!!!!!!!
「お…押されるぅ…!」
「がんばるポフ!」
「負けないでポフ!」
「母ちゃん…………俺は…もう間違え」
「始まったな暴暴拳」
「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!あべれぇじ!!!!!!」
突如横に出現したハジマッタナドラゴンのドラゴニックアーツを食らい、フェルナンデス・ナンデス・ウソデスチガイマス谷昌義は完全に肉体を破壊され死亡し元の世界の猫ちゃんとして全ての記憶を失い転生した。
「オマエ…そんな強かったんだな…」
「俺の真の役割は悪しき転生者を正しき輪廻に返すためのシステムだからな始まったな。」
「…………じゃあ…俺は…悪しき転生者じゃなかったのかよ」
「…俺も判断が鈍くなったのかもな、始まったな。」
こうして慎太郎は生き残り、モケレームベンベ、ハジマッタナドラゴン、転生してきたナマエゼッタイオボエタルド三世と共に、のちにキューフィット世界初のバンドを組むことになるのだが、それはまた別の話。
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