第8話 ビッチの中の純愛

 俺の初体験のあの日は、4時間くらい続けて、そこにいた女の子と全員セックスを済ませて、紫音と、ついでにウチの先輩にも1人アナルセックスを済ませて、6人と関係を持ったことになった(メンバーの内訳は、うちの大学男3人、俺も含む。相手は男1人女4人の、合計8人でした)。

女の子の二穴も初経験し、脱童貞のその日一日で、かなりの経験値を積んだことになった。

 そのうちの女の子が、今でもLINEで繋がっている。本当の初挿入相手の女の子だ。胸がAカップの、だけど。

紫音はメールだけしか知らない。電話も持っていない。

だからメールで繋がらないときは、女の子経由で伝えてもらったりしているのだ(その女の子と紫音は同じ高校だということが判ったので…って、これ内緒な!マジで!)。

そのうち、その女の子ともファミレスとか行くようになって、家に誘ってセックスすることにもなった。




 大学のキャンパスで、また紫音とすれ違った。

あの中庭から少し離れたところで。

今日の俺は少し遅くなって、今日はセックスするタイミングを逃したんだけど、ま、また今度でいいや。

「あの…」

すれ違うところに、紫音の方から声を掛けてきた。

「今日は、来てなかったんですね…。」

あぁ、ちょっと家を出るのが遅くなってね。

「…、あの、それだけ…ですか?」

ん?なんかキョトンとした顔になってるけど、なんだろう。なにか聞きたいことでもあるのかな?

「あ、いえ…、別になんでもないです…。」

って離れようとし、また戻って、顔を近づけた。

「あの、…なんも無いんですか?」

えぇ?あ、まあ、またセックスしたいな…って、こんなことでもいいのかな?

「あ。…ぁ、…、はい…。」

と、ちょっとうつむいて、今度はさっと離れていった。小走りに。

ん〜、なんかあったのかな?と振り返ったら、遠くから、あのいつもの先輩たちが近寄ってきた。というか、セックス終わって紫音が先にあの場を離れたんだな。先輩たちが後から出てきたのか。

「よぉ、ケイじゃねぇか。なんだ今日はゆっくりだな。俺ら先にシオン頂いてたぜ。」

キャンパスの他の人に聞かれても、その事と悟られない程度の言葉回しで話しかけてきた。

「アイツのことが忘れられなくてよ。もう毎日でも“セ”したいぜ。」

「俺なんかいつも夢にまで出てくるぜ。」

「あいつ、スマホ持ってないし連絡先が無いから、直接門に来るのを捕まえるしかねえからよぉ。ま、いつも毎週、シオンの方が来てるから、俺らも手間なくていいけど。」

と聞いて『おや?』と思った。

「いい肉便器だよな。あんな都合のいいヤツなんて、女でもそうそういないぜ。」

「一家に一人、欲しいよなあ。」

「ありゃぁ、面倒くさい女より、よっぽどいいぜ。」

「もう手放せないよなあ。」

下げ遊(すさ)んでいるんだけど、褒めてるように話しているのは、どうも気のせいだけじゃなさそうだ。

それにしても、紫音は俺にはメールは教えてくれたんだな。そのポイントは、ちょっと嬉しかった。




『ねえ、紫音って、ミィちゃんの彼氏じゃないの?』

その、紫音と同じ高校の女の子、下の名前はミエちゃんという。ちょっと略してミィちゃんと言っているが。そのミィちゃんとのセックスが済んだところ。

こんなタイミングで言うセリフではないハズだが、つい言葉にしてしまった。

「あたし?うーん、彼氏じゃないなあ。友だちよね。男友達。紫音も彼女とかはいないはずよぉ。」

そうだろうなあ。男に犯されて喜んでるんだもんなあ。って、ここは口には出していないけど。

「友だち、とも違うかな。お兄ちゃんか、そう、お兄ちゃんみたいな感じね。」

あー…、安心はするけど、性の対象ではない、という雰囲気、かな。気持ちよくとかゾクゾクするとか…じゃない、身内感覚なんだね。

「そうね。」

ズバリ言うね。

「だって、何度か乱交一緒に行ってるけど、アレよ。抱かれて、気持ちいいんだけど、ホッとする気持ちよさなのよね。身体が熱くなるものは、シオンくんじゃないなあ。ケイさんの方が、よっぽど結婚相手よね。」

え?…、……、えぇ?俺?

「もちろん、あたしもまだ若いから、そこまで飛躍した思考回路じゃないから安心して。」

あ、ぁぁ、そうなの?そっか…

「え、なに、ガッカリした?」

え、あ、いや、うん、そうじゃ、ないけど。

「じゃぁさ、妊娠したら、責任取って。それならいいでしょ?」

え?あ?ん?…、はぃ…

「よかった〜。この週末も乱交行ってくるの。デキちゃったら結婚しようね!」

おいっ。ビッチかよ。

「その時は紫音くんも一緒に。みんなで住も。ね?」

あ…、それなら考えてもいい…かな…

「え、…なーにそのラブラブなセリフ。」

あ、ぁ〜…えっとさ、でも紫音だってビッチだもんな。学校じゃ噂にならないの?

「あ。そっか、ケイさんは知らないんだもんね。シオンって、学校じゃ存在感ゼロよ。友だちもそんなにいないんじゃないかしら。乱交で知り合った女の子たちくらいしか、あのシオンの淫乱姿を知ってる人はいないわね。」

え?…なに、猫かぶってるの?

「うーんと、そうじゃなくって、存在がクラスで浮いてる…を通り越して、沈み込んで姿が見えてない、みたいなイメージかしら。

ずっと前に、誰かと話ししてるのをちょっとだけ見てたけど、シオンくんが喋ってるのを、他の人はつまらなさそうにしてたのよねえ。話の共通点が無いのかも。」

へぇ~。紫音の知られざる一面。

だから、よく大学にも来れるのか。高校はつまらないから、なのかもしれないな。

セックス出来るんだったら、そりゃ学校よりこっちに来るだろうなあ。

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