広大な宇宙に、一本の巨大な樹が立っていた。


 世界樹と呼ばれるそれは、年輪のように伸びる根を基点に、水鏡に映ったように上下に幹と枝を伸ばす。


 枝は上下に三本ずつ。


 幹から枝分かれした先に葉を伸ばし、葉の上に広大な海を抱え、さらに海上には大陸が浮かんでいる。


 基点となる根に広がる国を肆ノ国しのくにと呼び、上下に三つずつある枝先の国は、壱から柒の数字を冠す国名をもつ。


 よって、この世界を七つ國ななつこくと人々は呼んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る