実は私、魔法少女なの…。
カラスα
プロローグ
ひと仕事を終え、私はシャワーを浴びていた。
安物のシャンプーに安物のリンス。
当然ながらボディソープも安物だ。
私は溜め息を吐きながらも、ソレらを使用する。
そんな中、勢いよくお風呂場の扉が開かれた。
「何やってるの?」
人の裸を見ておいて、第一声がソレ?
そんな事を考えながらも、私は彼女の視線の先を追った。
浴槽に溜まった血液。
それに浸かる男の遺体。
これを見て彼女は驚いたのか。
「コイツは動物を虐待する魔獣よ。」
「あなたも魔法少女なら、分かるでしょ。」
私の言葉に彼女は首を横に振る。
「おかしいよ。」
おかしい?
まあ、確かにそう言われれば、そうなのかもしれないわね。
普通は浴槽に遺体を放置したまま、更には壁や天井にまで血がべったりと付着している状態でシャワーなんて浴びないもの。
だけど、汚い返り血で体中ベタベタで気持ち悪いんだから仕方ないじゃない。
それに、私は別に気にしない。
その事を彼女に話した。
すると彼女は…。
「そんな事を言ってるんじゃない。」
「私が言っているのは、人を殺すのはおかしいって言ってるの。」
と言って、私を怒鳴った。
パートナーが怒鳴られ、気分を害したのか、私の相方の妖精、リリが彼女に反論する。
「はぁ?」
「おかしいのは、あなたよ。」
「魔獣を殺すのは魔法少女の役目じゃない。」
「あんたの妖精はそんな事も教えてくれなかったの?」
そう言うと、彼女の背後から彼女のパートナーである妖精が現れた。
それを見て、リリの表情は驚きの表情へと変わった。
「あんた誰よ。」
これが、私と彼女の初めての出会い。
この後、彼女と出会った事で、私の運命が大きく変わる事となる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます