第20話 女子剣道部主将、千葉さな子。

早苗実業学校、女子剣道部。

戦前から存在する名門女子剣道部であり、その戦歴は数多くの栄光に

彩られている。2022年4月、新3年生の剣道部主将、

千葉さな子は、その年の新入生見学会を微笑ましそうに眺めていた。

彼女は代々続く大きな剣道道場、北辰一刀流千葉道場の長女であり、

この早苗実業学校にも剣道のスポーツ推薦で入学し、昨年秋から主将となった。

男性の有段者でも叩きのめす程の高い実力の持ち主だが、

今年の3月末に行われた全国高等学校剣道選抜大会 女子の部の決勝で、

浜松曳馬高校代表の飯尾鶴に敗れ、悔し涙を流していた。

今年の新入生にこの無念を晴らす様な逸材はいるだろうか?

既にスポーツ推薦で入って来る事が決まっている数名の実力は

チェックした。悪くはないが、早苗実業入学はスポーツが出来るだけでは

駄目で、学業の方もそれなりの実績を求められる。

だから中学時代に純粋に剣道だけに集中して来た選手に比べると

見劣りするが、後は高等部での伸びしろに期待して、育てるしかない。


そう思いながら見学会を眺めていると、ひとりの新入生が防具を付けて、

体育館に出て来た。どうやら中学時代に剣道をやった事があるらしく、

勧誘の新2年生から簡単な立会いを勧められた様だ。

防具をつけているから容姿はわからないが、身長は低いものの、

歩き方や姿勢が様になっており、何となくではあるが、出来る者の雰囲気がある。

「お手並み拝見ね。見込があれば良いのだけれど…」

その新入生は2年生の先輩と向き合うと礼儀正しく一礼して、

早速立ち合いの構えに入った。


「始め!」と開始を告げる声がしたその刹那、独特の鋭い気合と共に

高々と音を立てて竹刀が鳴った。「面一本!それまで!」

眼にもとまらぬ瞬殺である。打たれた2年生はヘナヘナとしゃがみ込んでいる。

強烈な一撃だ。「何?あの娘?」さな子は眼を丸くした。

あのような振りの速さを持つ女子剣士は見た事がない。

その後続けて3名の2年生が立ち会いをしたが、

皆開始早々一撃で面を取られた。「私がお相手しましょう」

さな子はそういうと防具を身に着け、その新入生と立会いをする事にした。

そうして彼女と対峙した瞬間、さな子はその新入生の実力が即座に分かった。

小さな体が何倍にも大きく見える。独特の威圧感、まったく隙が感じられない。

「この感じ、お父様と立会いをした時の様だわ」

「始め!」開始の声がした瞬間、さな子は強烈な打撃を頭頂部に感じた。

【ソレ剣ハ瞬速】

北辰一刀流の奥義そのものの一撃である。


【何という速さ、振りがまったく見えなかった】

さな子は一瞬茫然としたが、相手はその後静かに後ろに下がり、蹲踞する。

さな子も驚きながら蹲踞し、その後お互い立上って終了の礼をした。

その新入生はそれからゆっくりと面を取った。

さな子もそれに合わせて面を取る。

そこでさな子はもう一度驚いた。そこには小柄で色白、

綺麗な黒髪をポニーテールに纏めた、可愛らしく美しい…

絶世の美少女の顔が現れたからである。


「あなた、素晴らしいわ!是非女子剣道部に入って下さらない?」

さな子はその瞬間叫んでいた。


それから2週間が立った。

新入生は間もなくどこの部活に入るか決める時期になる。

千葉さな子は悩んでいた。

あの素晴らしい実力を持つ新入生、1年A組の如月天音…。

彼女が女子剣道部入部に同意しないからである。

どうも彼女には双子の姉が居て、その姉の護衛の為に、

姉が入る軽音学部に入るつもりなのだと言う。

今時学校の中で護衛なんて、時代錯誤だし、

そんな必要は全然ないと説得しても全く聴く耳持たずなのだ。

何度も何度も彼女の所に出向いて説得したが、埒が明かない。

思い余ったさな子は、この4月から女子剣道部の顧問になった

鈴音先生に相談した。見た目ではちょっと信じられないが、

どうやら先生は彼女の母親らしい…。


「鈴音先生、天音さんが女子剣道部に入ってくれれば、

全日本で優勝出来る事間違いなしです。

何とか説得に御協力頂けないでしょうか?」

さな子は鈴音先生の前で深くお辞儀をしながら懸命に頼んだ。

「そう言われても、部活選びは娘の自主性に任せたいと思っているので…」

鈴音先生はちょっと困り顔である。

「そこを曲げて何とか…」

さな子はもはや眼をうるうるさせている。

さな子も体はさして大きい方ではないが、すらりとした美しい体型の

美少女だ。女の美少年剣士の様な感じで、

彼女のファンになって女子剣道部に入った部員もかなり大勢いる。

【可愛い女の子を泣かせてはいけませんね…】

鈴音先生は、少し間を置いてから言った。


「さな子さん、直接的な協力は出来ませんが、

天音を虜にする秘策を授けましょう。

周りに聞かれるとよろしくないので、耳を貸して下さい」

そう言うと、鈴音先生はさな子の傍に来て、

暫く耳元で何かをささやいた。「え~~~!そんな事をするんですか?」

秘策を聞いたさな子は顔を真っ赤にしている。

「母親の私が言うのだから間違いありません。

この方法を取ればきっと女子剣道部に入ると思います。

但し、この事は他言無用ですよ…女同士の秘密です」

「わ、わかりました。他言無用…た、確かに。」

さな子はそう言うと、顔を真っ赤にしたまま部屋を出て行った。

【上手く行けば良いのですけれど…】

鈴音先生はちょっとおかしそうな表情で笑った。


その翌日の放課後。1年A組の教室に来た千葉さな子は、如月天音を呼び出した。

天音がやって来ると、さな子は「あなたのお姉さんの事で相談したい事が

あるので、付いて来て欲しい…」と伝え、

天音を人気のない体育倉庫の方に誘った。

雪音の事となると、何でも必死になる天音である。

さな子の言うがままに天音はついて来た。ここまでは鈴音先生の指示通りである。

小さな体育倉庫の中に入るとさな子は言った。

「周りに聞かれると良くないので、耳を貸して下さい」

何の疑問も持たぬ様な純真なまなざしの天音は、さな子の方に素直に耳を向ける。

その瞬間、さな子は【ふぅ~】と、天音の耳に優しく息を吹きかけた。

「あ!あん!」突然の事に天音は体をビクッと震わせて声を上げる。


「と、突然何をする…」天音は声を上げるが、さな子は無視する。

もう一度息を吹きかけ、「あ!あふん!」と天音がピクピクしている隙に、

天音の小さな耳をカップリと口に含み、舌を耳の中に這わせる。

「ひ!ヒィッ!」天音は声にならない様な声を上げてピクピクしている。

さな子はそのままマットの上に彼女を押し倒すと、胸を揉みほぐしながら、

首筋から耳にかけて舌を這わせ、愛撫を続ける。


「天音ちゃん、体は小さいけど、胸は結構あるのね」

柔らかく程良い弾力のある胸を揉みほぐしながら、さな子は天音に言った。

「や…やめ…私…敏感だから…だ…ダメぇ~」

天音は体中をぴくぴく反応させ、すっかりさな子のなすがままになっている。

【鈴音先生の言った通りね…びっくりする程敏感で、感じやすいって…。

凄く可愛いし、ちょっといじめたくなって来た…】


さな子は天音のスカートの中に手を入れると、

天音の一番敏感な部分をパンティーの上からゆっくりと優しく愛撫した。

「あ!あ!あ!」

ビクッ!ビクッ!と天音は反応すると、大きく体をのけぞらせ、

そのままぐったりした。イってしまったらしい。

【ちょっと面白いかも…】

さな子はそう思うと、もう一度天音に愛撫を始める。

天音はすぐに反応して、再び甘い声を上げ始める。

少しいたずら心が出たさな子は、結局天音を3回逝かせてから、

ようやく解放した。


【ちょっとやりすぎたかなぁ~】さすがにさな子も少し反省した。

天音のスカートの中の大事な部分はもうぐっしょり濡れてしまっている。

独特な女の子の甘いにおいがあたりに立ち込めていた。


「天音ちゃん、剣道部に入ってくれるよね?」

さな子の言葉に天音は答えず、ぐったりとマットに横たわったまま、

伏し目がちに彼女を見つめている。

「OKしないともっとしちゃうよ!」

さな子はそう言うと、再び天音の上に乗りかかって、

優しく首筋をペロンと舐めた。

「や、やめ…、こ、これ以上は…もう駄目なのじゃ…また逝ってしまう…」

「じゃあ、OKね?」

さな子がそう言うと、天音は眼をうるうるさせながら無言で頷いた。

「天音ちゃんがびっくりするくらい敏感なのは、

女同士の秘密にしておくから…。」

さな子はそう言うと、よろよろ立ち上がろうとする天音に手を貸した。

【やばい。私ちょっと危ない世界にのめり込もうとしてるかも…】

目を潤ませ、伏し目がちにさな子を見つめる絶世の美少女を見ながら、

さな子は思うのであった…。

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