第4話 ママが出来ました

〇〇視点


気づくと暗い場所にいました。


どうも赤ちゃんです。


僕はお馬さんを襲ったつもりが暗くてふわふわした空間にいました。

呼吸をするとカレーの味が口に入ってきた。

どうやらこの空間自体が飲み物のようだ。

しかもお子様に安心な甘口だ。

というわけで飲むぞー!!


ゴキュゴキュッ…


たまにエビやお肉や野菜の味がしてやめられない止まらない。


ゴキュゴキュッ…


ぷはぁ

ごちそう様でした。

空気を飲めるって素晴らしい!


するとパリンと音がなり周りが明るくなった。


周りを見渡すと黒い檻に繋がれたら金髪のお姉さんがいた。

見たところ身体の見えてるところ全てに黒い文字が書かれ、肌はボロボロで目には光が宿っていなかった。

どうしようかと考えているとお姉さんが、「おいで」と声をかけてきた。


おいでと言われたら行くしかないだろうということで檻の隙間から失礼します。ススッ!

体が小さいのでなんとか入れた。すぽっ!


近づいてふと気づく、お姉さん鎖に繋がれて動けないじゃん。


おのれ鎖めぇ。むふぅ!


僕はその怒りを鎖にぶつけるため噛み付いた。パクっ!

するとコーラの味がするではないですか。


お、美味しいです…


僕はコーラは好きだ、大好きだ。

甘いジュースは好きだがコーラは毎日一杯用量を守って飲むほど好きな飲み物だ。


ここで考える、今あるのはコーラ味の飲み物だ。

つまり骨が溶けることや太る心配もない。

安全かつ欲望を満たせる夢の飲み物が現れたのだ。ダラ〜…じゅるり…


ゴキュゴキュゴキュ…


コーラ味の飲み物は量が少なかったのか、すぐなくなった。

飲み足りない。


また飲みたいと考えていると、ふわっと体が浮いた。


どうやらお姉さんが僕を抱いたようだ。

お姉さんは笑顔のようだが黒い文字で台無しだ。


ふと僕は気付いた。


まだあるじゃん!


僕はお姉さんの肩に吸い付いた。ちゅー!!

抱かれた時にお姉さんの文字から鎖と同じコーラの匂いを感じた。


最初、お姉さんごと飲もうかと思ったが、頭を撫でられ気持ち良かったので除外することした。


僕の能力は除外した関連したモノは吸っても吸えないようだ。

妖精達を除外してからは口に当たっても吸わなかった。

つまりお姉さんを傷付けずコーラだけ楽しめる。


ゴキュゴキュゴキュゴキュ…


僕は遠慮せず飲み続けた。

しかし、ある程度飲むと吸えなくなった。

だけど、なんか奥にありそうな気がする。


ズズズズズズズズズ


吸う力を強めていく


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


今出せる全力で吸い込むとキュポンと栓が抜ける音と共に大量のコーラ味が飲めるようになった。やったー!


フィバータイム!!!!


ゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュ…


満腹?


そんな物は心に扉を作りその中に押し入れればいくらでも入ります。


動物さん達は飲める貯蔵量が多い。

そうなるとすぐに僕のお腹がいっぱいになる。でも飲みたい。


そこで考えたのが心に扉付きの部屋を作り押し込める。

部屋がいっぱいになったら隣にまた部屋を作り入れる。

扉が邪魔になったら扉を小さくして、棚付きの部屋を作り収納する。

そうすることで僕は無限の胃袋を手に入れた。

今なら世界を飲み尽くせるぜ。


そんなことを考えているとコーラがなくなってきた。

最後の一滴まで飲もうと吸う力を入れるとバニラアイスの味がどっと入ってきて終わった。


ぷはぁ


飲んでる間はお姉さんの頭ナデナデと背中ぽんぽんは気持ち良かったです。えへへ

お姉さんの顔を見ると涙が出ているがとても笑顔だった。

黒い文字も消えて美人だとわかる。

僕もお姉さんにつられて笑顔になった。にぱぁー

良かったね。お姉さん


するとお姉さんが

「来てくれてありがとう。助けてくれてありがとう。私はあなたを愛したい、だから私の子供になって欲しいの?」

と言われた。マジで!?


少し迷ったけど、お姉さんならママでもいいかなと思った。


よろしくね。

ママ!!


という意味を込め笑顔を向けると僕は光った。


えっ!?ナニコレ?


ママを見ると眩しいらしく目が閉じていた。


どうなるのこれ。オロオロ!

と思っていると僕は水に入るようにママの中に沈んでいった。


え!?なになに!


気が付くと狭い空間にいた。

外からママの心配する声が聞こえ、足を伸ばせば柔らかい壁に当たり、トントンと音が返ってきた。

これ確実にママのお腹の中だね。


やる事無いし寝よう。


.

..

...

....寝むれない。泣


こうして、僕の暗闇生活が始まった。

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