最愛

小川三四郎

現状

今は逢えない

遠いから


でも逢いに行けない距離ではない

ならば逢いに行こう


しかし彼女は言う

コロナが収束しないから


では待とう、そして収束してきたから行こう

しかし今度は家庭の事情で時間が取れないと言う

それは本当だろう





電話で声が聞きたい

しかし、彼女にも家族がいるから難しい


確かに難しいだろう

でも四六時中無理なのだろうか?

納得できない僕がいる


難しい事は難しいだろう

それでも稀には電話で話す

電話は凄く嬉しいし安心もする

気持ちが折れかかっても、元にもどる





以前彼女は背徳感が勝り、悩んでいた様子だった

程度はわからない


しかし彼女は僕を切り捨てては来なかった


優しいから?

純粋な友達としては付き合えるから?

徐々にフェイドアウトするつもり?


本当のところはわからない


ならば都合よく解釈しよう


積極的には逢おうと思っていないのだろう

特に今は時間の都合がつけられない


或いは今後の付き合い方を決めかねているので、とりあえず現状維持


いつか機会があれば、昔のような関係で逢ってくれるだろうか?

その時まで彼女の気持ちが続いてくれれば良いと思う


こんな感じだと解釈しておく




もし、これが合っているなら

微妙な距離を保ちつつ、その時を待てば良いのだろう


苦しいけど、一方的に望んでも叶うものではない

あくまでお互いの気持ちが“逢いたい”に


他の都合<“逢いたい”になった時が来れば逢える




元々僕が強く望んだ関係


終わりが決まっていたから

急ピッチて関係を築けたのかもしれない


物理的に離れた後も

その余韻の中、お互いにまた逢いたいと望んだ

それは叶った


その後間もなく、彼女に背徳感が芽生えた



僕にも背徳感はある

彼女のソレより小さいとは思うが、本当の所は比較できない

だって彼女の背徳感の大きさがわからないから

僕の背徳感は

多分大きくはない


僕の場合


背徳感<“逢いたい”

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