第23話 デイビッド

彼の名前はデイビッド


ふらっと入った六本木のバーのカウンターの向こうに居た彼は

ちょっと聞き慣れない英語を話してた


ポニーテールで髪を束ねて

優しい眼差しの彼は

”Hi、僕の名前はデイビッドだよ”

そう言った


日本人の女から日本語を学んだ男は

語尾が女言葉だからすぐわかる


デイビッドには それが無かった


それからどのくらいの頻度だろう?

週に2日位

デイビッドが居るお店に飲みに行った


会いたかった訳でもなく

全然タイプでも無いし


ただ


優しいまなざしが心地良かった


そんなある日、スマホ見ながら1人で飲んでたら

いつの間にか4時回ってて

デイビッドが聞いてきた


”パンケーキ食べない?”


へー、お腹空いてないけど、パンケーキって久しく食べてないし

こんな時間に開いてるとこあるんだねって思って答えた


”OK!”


”じゃ、ちょっと待っててね、お店閉める準備するから”


笑顔のデイビッド


そんな感じで始まった関係

パンケーキは彼の身体だった


愛のない 朝ご飯的なSEX、

眠いし 求めてたわけでもないし 好きでもない


とりあえず食べてみたけど シロップたらず


お代わりは要らないかな…


とりあえず なSEX

あなたならやりますか?


それとも


とっておきのメインコースを待ちますか?







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