第20話 上書き保存

角を曲がると


女は振り返らず真っ直ぐ進み

男は何度か振り返る


一度好きになった人を


女は上書き保存して

男は何度も思い出す


いつ誰がそんなことを言い始めたんだろう?


名前も顔も覚えて無くても

女は躰を覚えてる


男に抱かれる時


ここじゃないのに

これじゃないのに


なんて思っちゃう


ただ、求めてるのが誰の物かは定かではない


存在は上書き保存されても

躰は覚えてる


あの気持ちよさ…


あなたは どの躰が恋しいですか?



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る