ヤンキー女子は純情可憐R

琉水 魅希

第1話 プロローグ「夢の中でも……」

 学校に1本聳え立つ大きな桜の木。


 その下に二つの姿があった。

 一人は黒髪短髪で、それとなく目立たない感じの男子生徒。

 一人は黒髪ロングで、見た目は大和撫子な女子生徒。


 「「俺は(あたしは)ずっと○○の事が好きでした。付き合って……ん?」」


 まるっきり同じ言葉を発する2人。

 男子と女子で人称が違うというのはあるけれど。


 男子生徒は……

 「はぁ?誰がお前みたいなヤンキー女とっ」


 女子生徒は……

 「はぁ?誰がお前みたいなっなっなななんあー」



 そこで目が覚めた。

 あの告白はどうやら夢だったようだ。

 夢の中の男子生徒と同じ姿形をした柊真白ひいらぎましろが目覚ましの音でベッドから飛び降りた。

 急いで支度して、朝食を食べて学校へ向かう。

 家と学校が中学校感覚で近いため歩いて15分程度で到着する。


 校門に着くと、グラウンドの奥に夢で見たあの大きな桜の木が目に入ってくる。

 それと同時に今朝の夢を思い出す。


 「「夢とはいえなんであんな奴と……ん?」」


 お互いが声がしてきた方を向く。

 真白の眼先には夢の中で告白した相手である見た目は大和撫子な少女。

 その姿だけならギャルゲーや小説のヒロインにぴったりなのだが。


 「な、テメー何見てんだ。ぶっコロすぞ。」

 今日もお決まりの挨拶、ぶっコロすぞが真白に向かって放たれる。

 ご覧の通りのヤンキー少女である。


 しかしこれは彼女なりの挨拶だと真白は理解していた。

 だから別に目くじらを立てる必要はない。


 それにしても、この偽大和撫子ヤンキー女が夢とは言えあんな事言うわけがない。

 もちろん、俺も言うわけがない。

 好きとか嫌いとかの問題ではなく。

 もっと別の理由だ。


 「へー、どんな夢だよ。」

 あんな夢を見たせいか、何故だか気になってしまう。

 

 「そ、そっちこそ。」

 狙ったわけではないのだが、答えは同時に。



 「お前が俺に告白する夢。」

 「お前があたしにこっここけっこー」

 

 この偽大和撫子ヤンキー女とは会話が成り立たない。

――――――――――――――――――――――――――


 ヤンデレ、生まれ変わって再開です。


 真白が暴力振るわなくなりました。

 恵は相変わらずヤンキーですがレディース設定はなくしました。


 ただ、前ヤンデレで名前のあったキャラは形はともかく登場します。

  

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る