第82話 無事にクエストを終えて
「よくやったなアイセル、サクラ! 無事にクエスト完了だ。特にサクラは最後頑張ったな」
魔法剣を鞘に納めて戻ってきたアイセルと、怒りの精霊『フラストレ』の力を解除してホッと一息ついていたサクラを、俺は手放しで褒めたたえた。
「まったくです、サクラよくやったね」
アイセルもサクラの大活躍にニッコリ笑顔だ。
すると、
「なんか意外。ケイスケのことだから、また勝手に行動したなとか言って小言を言ってくると思ったのに」
褒めたっていうのにサクラがどこか不満そうに俺を見てくるんだよ。
「サクラはアイセルの動きをしっかり見てただろ? で、そろそろ間合いを開けそうだなって思ったから、俺の決断を待たずに行動した。違うか?」
「そうだけど……」
「しかも怒りの精霊『フラストレ』をコントロールできそうな自信も、なくはなかった」
「うん、ごく短時間ならいけるかなって」
「だったらその判断は間違ってなかったと思うぞ。勇気という名の無謀とは違う、あれは根拠のある決断だった。怒りの精霊『フラストレ』の暴走も上手くコントロールできてたし、よくやったよ。100点満点だ」
「あ、うん、その、あの、ありがと……」
サクラが顔を赤くして俯きながら、上目遣いでボソッと言った。
「お、なんだなんだ? 俺に褒められて照れてるのか? いつも憎まれ口をたたいてくるくせに、お前も意外と可愛いところがあるんだな?」
「はぁっ!? ぜんぜん違うし! 別にゴミカスクソザコバッファーのケイスケなんかに照れてなんてないし! ノー・バッファーでノー・ケイスケだし! もう、アイセルさんもこの勘ちがい馬鹿ケイスケに何か言ってあげてよね!」
プリプリしながらプイっと俺から目を背けて、アイセルに話を振ったサクラだったんだけど、
「良かったですね、サクラ。ケースケ様に可愛いって言ってもらえて。すごく羨ましいです」
「あ、あの、アイセルさん? 目が笑ってないんですけど? 超ガチな感じなんですけど……?」
アイセルに静かに言われて、速攻で顔が引きつっていた。
アイセルから発せられるものすごい『圧』は、俺まで感じるほどだった。
「うふふ、冗談ですよ、うふ、ふふふふ……」
「だ、だよね……」
「うふふふふふ……」
「ま、まぁこの話はこれくらいにして、とりあえず、ここにいてもなんだし帰ろうな? な?」
俺は変な方向に進みつつあった話を強引に終わらせることにした。
言いようのない危機感が俺にそうさせていた。
パーティに撒かれた不和の種は早めに摘み取っておくのが、パーティのリーダーの役目であるからして……。
◆
「着いたぞ~」
「無事に帰りつきましたね」
「私お肉食べたい! 今日の晩ご飯は豪勢にすき焼きにしましょ!」
来たときと同じように馬車で3日ほどかけて、俺たちは拠点の街へと帰還した。
主戦力として戦ったサクラとアイセルには、先に屋敷に帰って休息をとってもらう。
俺はパーティを代表して、想像以上に大変だったクエストを冒険者ギルドに報告に行った。
もちろん新種のゴースト、キング・オー・ランタンについても報告する。
すると冒険者ギルドの本部から専門家を派遣してもらうから、後日そこで詳細を話して欲しいとのことだった。
ギルドマスターの見立てではおそらく新種として認定されるんじゃないかってことだったんで、そうなればさらにパーティ『アルケイン』の名声も上がることだろう。
「今回のクエストはサクラが大きく成長できたし、後はキング・オー・ランタンが魔獣リストに新種登録されたら言うことなしだな」
俺は文句なしの大戦果に、ほくほく顔で2人の待つ屋敷への帰路についた。
「今日は豪勢にすき焼きにするって言ってたよな。疲れを癒すためにも腹いっぱい肉を食べよう!」
【ケースケ(バッファー) レベル121】
・スキル
S級スキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』
【アイセル(魔法戦士) レベル47→50】
・スキル
『光学迷彩』レベル28
『気配遮断』レベル28
『索敵』レベル35
『気配察知』レベル49
『追跡』レベル14
『暗視』レベル21
『鍵開け』レベル14
『自動回復』レベル35
『気絶回帰』レベル35
『状態異常耐性』レベル35
『徹夜耐性』レベル35
『耐熱』レベル35
『耐寒』レベル35
『平常心』レベル35
『疲労軽減』レベル49
『筋力強化』レベル49
『体力強化』レベル49
『武器強化』レベル49
『防具強化』レベル49
『居合』レベル49
『縮地』レベル49
『連撃』レベル49
『乱打』レベル49
『武器
『連撃乱舞』レベル49
『岩斬り』レベル49
『真剣白刃取り』レベル49
『打撃格闘』レベル49
『当身』レベル49
『
『受け流し』レベル49
『防御障壁』レベル28
『クイックステップ』レベル49
『空中ステップ』レベル49
『
『威圧』レベル42
『集中』レベル49
『見切り』レベル49
『直感』レベル49
『心眼』レベル49
『弱点看破』レベル35
『武器破壊』レベル35
『ツボ押し』レベル49
『質量のある残像』レベル35
『火事場の馬鹿力』レベル35
『潜水』レベル28
『《
『剣気帯刃・オーラブレード』レベル21
【サクラ(バーサーカー) レベル37→42】
・スキル
『狂乱』レベル--
『自己再生』レベル--
『疲労軽減』レベル--
『筋力強化』レベル--
『体力強化』レベル--
『会心の一撃』レベル--
『武器
『精霊攻撃』レベル--
(注:バーサーカーの戦闘スキルは全て怒りの精霊『フラストレ』の力を借りるため、通常のスキルレベルとは完全に切り離されています)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます