夏の夜

 君は

 僕の

 そばにいる


 会うことも

 話すことも

 出来ない

 場所に

 行ってしまったのだけれど


 流れる星は

 君の優しさを

 連れてくる


 星の瞬きは

 君の微笑みを

 思い出させてくれる


 むせび泣いた日は

 遠くに去ったけれど


 哀しみはまだ

 そっと寄り添っている


 そうだ

 君の好きだったものを

 集めよう


 灯る炎の前で

 静かな音を楽しむ


 ひとり花火

 庭の虫の声

 風鈴がチリンと鳴る

 ホタルが飛ぶ


 縁側でうたたね

 そよそよと吹く風


 僕は君の面影を

 見た気がした


 夢でも

 幻でも

 会えたのなら


 また

 明日の夜を

 僕は

 待ち望んでしまうのだろう


 君は

 僕の

 そばにいる





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る