冬まぢか

 駆け足で夏が過ぎ去り

 その趣を楽しむ間もなく

 秋に冬の気配が流れ込む


 霧雨が降りしきる

 霜月のすえが迫る


 早朝

 寒さに目が覚めた

 外はまだ真っ暗な世界


 私の

 かじかんだ手

 凍える足先


 そっと隣りの布団に

 体を滑らせ入り込むと

 君も起きてたのかしら


 甘い吐息をつきながら

 私を抱きしめてくれた


「手も足も冷たいね……。

 俺があたためてあげるよ」

「……うん。ありがとう」


 やがて君がくれたのは

 私を火照させるほどの

 口づけや熱い交わりと


 愛しさ






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