やられ役に光あれ!

ノーリ

第1話



死に役、やられ役といったものを知っているだろうか。


物語の中で主人公達に、時に倒され、時に導くそんな存在を。


ある者は、四天王。

主人公にわざわざ弱点を教え、倒され、味方には「奴は四天王の中でも最弱よ!」と罵られ消えていく者。


ある者は、英雄。

主人公にあらゆる技を、技術を授け、主人公達を守るため逃がすためその魂を捧げる者。


ある者は、親友。

主人公と共に育ち、支え合う最高の友。いつも、追いつけぬ才に食らいつき、見果てぬ隣を目指し敵に倒され、主人公の、友の覚醒を代償に消費される者。


ある者は、従魔。

主人公を主と定め、その命を主人公に捧ぎ、あらゆる苦悩を、悦楽を共にしながら、主を庇い、消えてゆく者。


殆どのもの達は、主人公に思い出される事はあれど、他に知られることなく、朽ちていく。


嗚呼、何と無常なのだろうか!?







とまぁ、色々語ったが、これは俺の死因と全く関係無い。

ただただ、運悪く、雨の日に滑りやすくなった歩道橋の上から落ち、当たり所悪く死んだ運のない男だ。

死んだ時は、これで終わるの!?マジかぁーと嘆いたりもしたが、運良く?転生した。

まぁ、要は今赤ちゃんってことだ。


「おぎゃー!おぎゃーー!」


おっと、引かないでくれよ?別にそういう趣味な訳ではなく、ただ、単に喋れず腹がすこうが、う〇こが出ようが、こうやって親を呼び出す以外に方法がない。


しかし、生まれてすぐ気がついたことがある。それは「魔力」だ。

初めは違和感でしか無かったが、その気配を、感覚を掴むのにそう時間はかからなかった。

これで俺も魔法使いか!?

と思っていた時期が私にもありました。

転生モノあるあるの「ファイヤー」的なことを思いながら、使おうとしたら、気絶した。

うん、まさかたった1回も使えず終わるとは思わないじゃん!?

めっちゃ悔しい!と、言うわけで先ずは魔力を増やすことにした。


何故知っているのかって?

気絶した後、目が覚めると感じる魔力の量が増えてだんだよ。

だから、この2年間。俺はひたすらに魔力を増やし続けた。

おそらく、両親よりは多いと思う。

これが、世間一般でどのくらいなのが知ることは出来ないが、魔力が無い!!!、

と嘆くことは余りないだろう。


もし、主人公達なら、体を鍛えるなどと言ったことを赤子の頃からするんだろうが、俺には無理だ!!!


2歳になり、歩くことが出来るようになりました!

拍手!パチパチパチパチパチパチパチ、、、、、、、、


、、、、、早くね?


いや、え?

赤ちゃんってこんなに早く成長するっけ!?


まぁ、異世界だしそんな事もあるか!と納得しとこ!


それより、これからやることを決めてみた。

唐突だって?気にすんな!


1、力を手に入れる。


2、主人公ムーブしてる奴を探す。


3、その主人公のやられ役を助ける。


4、どうにかして、そんな存在達の居場所を作る!


1つ目は、助けるためにも守る為にも必要だから、後のは、俺のしたいことだ。



さぁ!やられ役たちの物語の続きをしるそうじゃないか!




◇◇◇◇◇◇◇◇




と、言うわけでやって参りました!

«還らずの森»!!


どんなとこかは知らんが、うちの親が良く狩りに行くところのようで、ファンタジーあるあるの魔物もいるっぽい。


夜、親達が眠った事を確かめて体全体を魔力の膜で覆い、匂いも音も熱も全て見えないようにした状態で抜け出してきた。


さぁ!戦って闘って殺りまくるぞ!!!







、、、戦闘狂ではないですよ?




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