6,仕事 7,中野学校 8,山田
6,仕事
広告代理店も、大きくなるとそれはそれは手広くやる。
某アメリカのそれはアメリカに敵対している国をどうやってアメリカの隷属国家にするか?まで請け負う。同時に各方面への利益供与も考えながら。
だから東欧南部でのあの時はNATOが臓器売買でかつて無いほど儲けた。一般兵士たちには何も入らなかったが。そしてCIAのNATO支配は強まり、ネオコンのそれは弱まった。
日本の代理店にそこまでの能力はないが、プロパガンが流布くらいはできている。
今回、その立案、総指揮をやらないか?というオファーがあったわけだ。勿論露骨にそう言ったわけではない、が、わかるものだ。
6年後ならできるかも、と応えておいた。6年後でも受ける気はないだろうが。
だが奴等もしつこく、立案数件出してくれないか?と。
内容を聞いてしまえば逃げられないので断った。立案だけだと軽く見た者達はみなその策にはまり、抜けられなくなっていることだろう。
僕らを嵌めるにしてもその程度しか考えつかないのだろう、よほど人材がいないのだろうな、とは思う。
この一件で僕は危機感を覚えたので、依頼元を手広くしてみよう、と、幾つかの国に作品見本も添付したオファーを出してみた。
流石向こうは早い。1週間もしないうちに返事が来た。ビジネスというものを理解している者達との関わりは、手強いけど効率的だ。なにせもったいぶる低能など居ないのだ。そんな程度の者達は一生ペーペーでしかいられない。そういうものを上に上げる会社はほかから相手にされなくなる。そういう世界だ、向こうは。
幾つかの会社と契約をし、作品を送り始めた頃、やはり日本のその代理店は仕事を減らしてきた。兵糧を断てば降参して受けるだろうと子供のような考えを実行したようだ。
もしそれを海外の相手にもやっているのであれば、自らの愚かさを喧伝している無能者だと認識されていることだろう。
日本のその代理店に僕は「全て切ってもいいですよ?」と答えておいた。なにせ新たな顧客の支払う報酬は日本の数倍から10倍以上だから。今までの数分の1の仕事で同額稼げる。
この機会をくれた愚か者達に感謝を!
とりあえず日本マーケットの公告コピーからだ。
注意しなければならないのは、公告依頼主の詐欺レベル。日本以上のもあるし、結構まじめにほとんど事実のみしか許容しない、という会社もある。なので当該顧客の最近の公告を参考にしてその具合を理解し、それに沿って、しかもマーケットに受け、更に依頼主も納得できるようなものを。
日本語でのコピーだが、依頼主の言語での説明を付ける。日本マーケット顧客の傾向やら他社の良い公告を比較に出したりする。
公告の図柄が出来上がってればやりやすいのだが、ラフだけ、とかもある。
その場合、コピーに沿った注文があれば書いてしまう。そういう主張は、通る通らないに関わらず、関係者に一つ以上の情報を与えるのでポジティブなことなのだ。
日本だと「出過ぎたマネ」と言われていたのでやらなくなったが。
大半が2−3回の直しで済んだ。一回で通ったのは1つのみ。
最初に何点か出して、向こうが選んで、直しが有れば直しを、という形が多い。
まぁ、そういってもつきあい始めなので向こうもこちらを試している程度の案件、なのだが。
でも気持ちいいものだ。自分の好きなセンスを活かせる作品にさせてもらえた。今までの代理店はなんか田舎臭いものばかりに修正させられていたので、知らず知らずに鬱憤が溜まっていたようだな、自分の中に。
これで、学校でもプライベートでも気持ちよく過ごせる大きな要因が増えたというわけだ。
良いことだ。ありがとう、僕を切ってくれた代理店!!♪
**ーーーーー**
7,中野学校
なんか不審な話を持ち込まれた。なんだろう?私は万屋になっているのか?銀か?中華娘か?いやそれはイヤだろう、、、メガネもいやだけど、、、
某国営軍事結社が直接関連するような学校が、密かにできていると、そいつは言う。
某代理店が人心しか操作できないので、実行部隊を作るための要員を見つけるための学校だと、そいつは言う。
別にいんじゃないか?知ったこっちゃない。
「勝手にやらせておけばいい」
「は?委員長でしょ?」
「1年3組の、**学園の、だが?世間などどーなろーと知らん」
「・・・・無責任だなー」
「その”無責任”について合理的な説明をしろ。できなきゃ僕に対する冤罪だぞ?」
「大げさ!!」
「お前は嘘つきで大げさすぎ、人に冤罪を着せてそれを悪事だと認識すらできない犯罪者だな。さて、これを聞いていたクラスの者達、どうだろう?
我がクラス、我がクラスの委員長はそのことに責任を持つべきなのか?拒否した私や1年3組は無責任なのか?」
このバカには自分が1年3組全体を侮辱したということをわからせねばならない。ボク個人ではなくクラス委員としての僕に話を持ってきたのだから。
「狐狸山、おめー勝手なことばかり言ってんなよ、締めるぞ?」
クラス一の暴れん坊君だ。まぁ暴れるけどその理由はほとんど理解出来るものなので放置している。バイクについてはヘルメットを必ずちゃんとかぶると約束させたが。
「狐狸山君、君が動くべきだろう?なぜわざわざ我々を巻き込むのかな?」
秀才メガネ君だ。テストの成績はトップ一群に常に入っている。
「たぬきー、おめー4組だろ?4組の委員長には言ったんだろーな?今から聞きに行くからな。おい!行こうぜ!!」
「わーった!わかったから、もーいいだろう!!」
「「「「あ?あんだって?きこえねーなー?」」」」
「わかったって言ったんだよっ!!」
「こんだけ酷ぇこと勝手にほざいといて、わかった、だけで済ますのか?
おい!皆で4組に殴り込みだ!!」
「「「「「「「おーっつ!!!!」」」」」」
当然だが4組の連中は何も知らなかった。事情を事細かく話し、処断は4組に任せた。
結局狐狸山は女子を含めた4組全員にリンチにあってぼこぼこ。数日後転校していった。
狐狸山の件から、ろくでもない話を持って来る阿呆はいなくなった。
我がクラスはまとまっているのだなぁ。
その後、なぜか教師たちは4組も3組も呼び出しすらしない。
後日、情報通の生徒が「アンタッチャブル指定されてるぞ?俺ら3組」と、職員室内の情報を持ってきた。
流石いいとこの子弟の集まる学校である、公務員以上にことなかれ主義だ。
この学校は幼稚園から大学まで基本エスカレーターだ。
小学校の時の父の破産の時にやめなくて良かった。知った者達が多かったからな。親はアレでも子供はそうではない者も多いのだ、この学校では。ほかは知らん。
**ーーーーー**
8,山田
クラスに山田という生徒が居る。
特に成績が酷いとか、、まぁ酷いけど赤点はあまりとっていないし、追試でどうにかなっているのでOKだろう、、素行も善くないという話は聞かない。
だが、、
なんというか、、、
「んじゃ、ここ、、山田、読んで」
・・・
「山田!」
・・・・・
「山田!!おーい!やまだくーん!!?」
ハッ!!
「はい?何か用事ですか?」
・・・・・
「*ページ、始めから読んで。」
「しーいずあぺんふれんどおぶ・・・」
と、読むことは読めるし、
「んじゃ、この問3、黒板で解いて。」
=√3
「途中式は?」
「ないです」
「あ?あるぞ?書きなさい」
「この回答集には書いていないです」
回答集は教科書等配布時に同時に配布される。教師の手抜ができるように。当然生徒も手抜きする。
そして、回答集には途中式は載っている。回答と別の部分にかかれているだけ。
まぁ、一応回答を書けることは書ける、し、、、
「んじゃ、文化祭で何やるかを決めよう、そろそろ。文化祭実行委員、司会頼む」
「誰かなんか案ある人!」
「おでんや」
「化物やしき」
「赤ちょうちん」
「バイクの展示会、即売ありで」
「んじゃ、薄い本の展示会、即売ありで!」
「んじゃ、厚い本の
「却下!!即売会却下!!」
「何もない空間の展示」山田 つまり空き教室解放なだけ
「「「「「おおおっ!!!」」」」全員
「んじゃ、全員一致だな!!」司会
「んなの通るかっつ!!!」僕
このように彼は全員から支持される提案すらできる。
が、、
そう、掴みようがない?それが彼なのだ。
そんな彼は帰宅部だと思われがちだが、超常現象研究会という同好会に入っている。同好会の文化祭参加は志願制wなので、今回は見送りとのことだが、、
彼自身が超常現象と見られ、そのモルにされているのか?
町中でも何度か見かけたことが有る。
ケモミミカフェとかいう店からニコニコしながら出てきたのを見たし、
某宗教団体のビルから追ん出された場面も見た。なにやったんだろう?
以前まだ仕事を受けていた時、某最大広告代理店のビルの部外者はなかなか入れないフロアでも見かけたことが有る。
ヘルプで頼まれた掃除のバイトで行った王子の先の某国営軍事組織の拠点の一つビルの中で、休日なのに、ウロウロしているのを見かけた。
そうなのだ、掴みどころだけではなく、得体も知れないのだ、彼の場合。
まあ、特に興味が有るってわけでもないし、話かける用事も無いのでしないけど。
このように、そういった物体が存在するのも、我が学園の面白いところだ。
たぶん、発掘かければ彼以外にもまだまだ見つかりそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます