絶望の始まり、そして・・・
渡辺赤城
プロローグ
第1話プロローグ
カッカッ
「えー、これにより日本はアメリカから日本の有利な講和を結ぶ事になり、
これを「日米終戦協定」と言う。
枢軸国の中では一番最初に終戦を迎えたのだ。
それからは日米での軍事開発が始まるが・・・
チッ
こちらから見て一番左の列の三番目の寝てる奴、立て」
そんなような内容のことを言われ自分が指された。
どうやら寝ていることがバレたらしい。
「ハッ!」
そういい私は立つ。
「貴様の番号と名前を答えろ!」
「はい!私は、総合学科2年、谷口であります!」
「総合学科二年の谷口だと、あの問題児か。まぁいい、「日米終戦協定」によって、日米共同で開発した兵器で今でも前線投入されている兵器でそこから先の現在までの歴史を詳しく答えてみろ!」
「ハッ、開発された兵器はjpn/us00であります!
これは第一世代機であり現在使用されているjpn/us28を使用するうえで重要な兵器であります。
このjpn/us00の開発、量産により戦線は連合国側の有利になりドイツ、イタリアへの侵攻を開始、イタリアは投入と共に降伏するがドイツは降伏せずjpn/us00の優位性を示すことになりその後ドイツは無条件降伏をします。
そこからは平和維持活動を行いますが所詮は表面上であり、資本主義国家と社会主義国家に分けた情報戦が行われます。
その中で日米と中露での開発競争が始まりこの開発競争の内容は第一世代機の発展型である第二世代機の開発でした。
この開発競争は中露に先を越されその際作られたのがcstd/rf19、中国名で殲撃六型、ロシア名でヂヴィナーッツァチであります。
1,987年、中露は開発、量産と共にほかの社会主義国家と一緒に周辺の資本主義国家に宣戦布告、これを第三次世界大戦と言います。
最初は社会主義側はこの第二世代機を用いた戦略により資本主義側は押されますが開戦から二か月後に第二世代機の量産をしてからは押されることは無くなりそれと共に日米はレーザー兵器を投入、汎用性の高い第二世代機の勇逸の弱点である機体速度の遅さではレーザーを防ぐことはできずしかもレーザー兵器の攻撃を無効化するすべが無い為戦況は逆転、資本主義側の優位になるとともに日米は中露よりも先に第三世代機の開発を開始ここまでが現在までの歴史であります。」
そういうと教師は呆気に取られたかのように頷いた。
「ふん、流石は実習訓練は下の下なのに筆記においては上位という問題児なだけあるな。
まぁいい、座ってよし。これからはもう寝るなよ!」
そういうと教師は黒板のほうを向きまた話し始めた。
教師の説明の通り実習は下の下、自慢ではないが筆記においては上位という問題児扱い、
それが自分。
名前は谷口宗司。
現在は第4帝都防衛用機動歩行機搭乗員育成校の二年生。
予定ではあと一年後には実戦投入される。
開戦直後は防衛大学又は他大学卒業と同時の投入だったが戦況の悪化により高校卒業レベルまで引き下げられた。
その為あと一年なのだ。
将来は部下を連れ隊を率いる事になるこの国営の育成校に入ったが実習を見る限りだと危ういのだ。
そんな事を考えているといつの間にか授業は終わっていた。
次は自分の苦手な実機を使用した実習訓練だった。
払下げ品だが訓練用に調整されたjpn/us00を着こみ現在実戦投入されている第二世代機の訓練用を使用する。
内容も様々で行軍訓練から対人訓練もある。
「おい、何してんだよ。急がないと授業に間に合わねえぞ。一人が遅れると男女関係なしに訓練が遅れるんだから速くしてくれよ!」
そういう男口調なことを言うこいつは流石智恵。
自分と同じで教師からは問題児扱いをされている。
しかし自分とは逆で実習では他を抜き去るが筆記は最悪。
名前とは逆に育った奴だった。
「ん、智恵か。分かってるよ。急がなきゃならない事ぐらい。」
「なら早くしてよ!まだ自分が遅れるなら多少は放免してくれるけどお前は実習訓練は下の下なんだから滅茶苦茶ヤバいんだよ!」
「んなことは分かってるよ!急げばいいんでしょ!急げば!」
「最初っからそう言ってるじゃん!ってもう時間やばいじゃんか!早く機動歩行ユニットを着なきゃ!もし遅れたらお前のせいだからな!」
そんなことを言うと智恵は走りだした。
自分もそれに続く。
ちなみに機動歩行ユニットというのは第一世代機のことだ。
第二世代機と違い大きさは人間とほぼ同じなのでわけるためにそう言われるようになった。
着いたのは機動歩行ユニット装着室だった。
生徒は長いので装着ルームと言っていた。
戦場ではいかなる場所でも着替えれるようにと男女は別れていない。
最初はブーイングが起きたが理由が理由なので我慢するようになり次第には特別なにか思うことも無くなった。
着替えと言っても最初に保護被膜を着る。
この保護被膜にはいろいろと機能があるため下に何かを着ることは許されていない。
次に保護被膜の上から特殊素材で作られた機動歩行ユニットを装着する。
本来はこの後に機動歩行ユニット用の戦闘用ヘルメットを被るが機動歩行機に乗るまでは被らないことになっている。
そんな手順をして機動歩行ユニットを着けるとそれと同時に始業の鐘が鳴った。
しかし訓練場までは走ってどうにかなる距離ではない。
この機動歩行ユニットには装着者の能力を上げる機能もあるが基本許可されていない。
もちろん今は許可されてないのだ。
これを使うと大変面倒な罰則を食らう。
それなら使わずに正々堂々と遅れたほうがいいぐらいだ。
智恵も着替え終わったようなので二人して部屋を出た。
出ると同時に智恵は走り出す。
自分も負けじと走った。
もちろん遅刻確定だが。
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