第141話  今すぐ結婚して下さい

 晃は目覚めと共にアルテミスに対して土下座を敢行した


「ア、アルテミス様。僕はとんでもない事をしでかしてしまったようです。途中から記憶が有りませんが、アルテミス様に乱暴してしまい、純潔を散らせてしまった筈です。男として責任を取らせて下さい。今直ぐに僕の妻になって下さい」


 皆あんぐりと口を開けていた。反応が予測の斜め上だったからだ。どうやら晃は中途半端に記憶があるのだと皆が認識したのだ。


「あら?妻にして頂けるのですか?嬉しくは有りますが、まだ、わたくし処女でしてよ。おそらく夢でも見ていたのか、勘違いですわ。ソレイユ様が晃様を気絶させてくれたので、未遂でしたわ。それに晃様に非はありませんのよ。未契約女神との契約に潜んだ罠で、私は皆様のお陰で胸を揉まれるだけで、晃様の立派なそれが私に対して使用されるのは何とか回避できましたから。改めて宜しくお願いしますね。結婚は改めて申込みをお願いしますね。今お受けするのは勘違いからで、フェアじゃないですから。本当はお受けしたいのですよ」


 晃は情けない顔をしていたが、アルテミスに抱きしめられていた


「あっあの、僕アルテミス様を犯したんじゃないんですね。良かった」


 しかし晃は下半身裸だ。プラブラさせながら説得力がなかったが、エニーが下着とズボンを投げた。


「いつまでも盛りのついたお猿さんみたいにしてないで服くらい着なさいよ。目のやり場に困るじゃないの。は、初めて見たわ」


 晃は自らの格好に慌てたが、皆様手で顔を隠しつつチラ見して更に真っ赤になっていた。皆に興奮したのを見られていたのだ。恥ずかしくて死にたいくらいだった。


 イザベラが仕切り直しを図った


「えっと、晃くんは確かに他の冒険者がやってしまう契約者を襲う罠に掛かったけど、幸い私達がいて止められて未遂だったから気にしちゃだめだからね。それと無事契約が完了したか確認する事。アルテミスは体の状態を確認しなさい」


 イザベラの迫力に2人は従う。アルテミスが晃に触れ、無事契約が完了していると伝えて来た。


 晃は改めてアルテミスを見る。体は記憶にあるアルテミスとは少し違った。EカップからDカップ位に少し上品な胸、身長は晃より少し高い。細身で手足はほっそりしていて腰までの見事な銀髪。超美形なのだが、驕らず穏やかな箱入り娘チックで守ってあげたくなるようなおしとやかな感じに見える目付きだ。年齢は人間だと18歳前後と推定される。フランス人に似た雰囲気がある。以前は22歳前後と妖艶さを感じ、確かに同じ顔なのだが、全くの別人とも言える。この中にエレクトラとされてしまったかつてのアルテミスを知るのは晃とイザベラのみであるから、他の者が見たらどんな反応になるか分からない。エレクトラとよく似ていると思うのかすら思わないのだ。


 それと彼女の加護は最強と言われていた。それは飛べるからだ。レベルが上がると条件が変わるが、レベル1で飛行時間5秒、インターバル60秒だった。冒険者自体のレベルが上がるとレベル1につき飛行時間が1秒伸び、インターバルが5秒短くなる。最短は5秒のインターバルとなるようだ。


 斜め上空に飛べば落下を考えてもずっと飛び続ける事ができなくはない。

 晃は組み合わせの妙で手がつけられなくなるポテンシャルを持っていた。


 既に晃の所の女性陣とアルテミスは仲良しになっていた。

 それはともかく、晃はターニャとアルテミスを連れてギルドに契約の報告に向かうのであった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る