第111話 もう一つの焦り

 グラッドは焦っていた。

 何度も単独で行こうとするのでその度にローランに捕まり頭を叩かれていた。


「お前は馬鹿か?場所を唯一知っているお前がいなければ救援隊はセーフエリアに行けなく、結果皆を死なせるんだぞ?」


 その会話が何度あった事か。

 地上に上がる時は女神イザベラが連れてこられた時の影響で、晃に救助された段階で疲弊が激しく、直ぐに、野営をしていた。食料は各自の予備で何とかなったが、そんなかんなで時間が押していたからだ。


 グラッドと、ローランは口喧嘩は絶えないが、実は馬が合う。キャラがかぶっているのだ。晃もだが、猪突猛進型で、今は歳上のローランが諌めていた。

 普段はエニーとメアリーに頭を叩かれている感じだ。


 女には頭が上がらないし、決して叩く方で女には手を出さない。

 言動は悪いが、根は良い奴だったりする。なんだかんだと晃が転移した直後はしっかり守っていたのだ。


 逸る気持ちが皆ひしひしと伝わるが、2部隊に分けて後半部隊には一泊目の後の出発は半日遅らせ、魔物の重点駆除を指示していた。自分達の食料を持たせ帰路の安全確保の重要任務だ。


 そうしてそれぞれの役目を果たしながら進む。


 二日目の夕方に34階層のセーフエリアに着いた。

 帰りが有るので敢えて野営をし、半分を残して夜明けに出発する事にした。


 向こうに行き野営をするのはリスクが高いと判断し野営を決めた。


 夜明けと共に精鋭が出発し、遅れて36階層に残留の半分が魔物の駆逐に向かう。


 そうして魔物の駆逐をしていた晃と救援隊の精鋭が早朝に合流するのであった。

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