第8話『森の異変』
初めての討伐依頼から少しした頃フリードは再び魔物のいる森へ来ていた。
何故再び森へ来たのかというと、緊急依頼でゴブリンの討伐が出ていたからである。
どういうこと?と思うかもしれないが、まず緊急依頼について説明しよう。緊急依頼とは名前の通り緊急性のある依頼のことである。
では、何故フリードがこの依頼を受けたのかというと善意…という訳ではなく気になったからだ。
何が気になったのかと言うとゴブリンの討伐が緊急依頼として出ていることだ、それ自体はまぁ無いことではないのだが今回のは、そのタイミングが少し妙なのだ。
先日フリードがゴブリンを狩尽くしたのにも関わらず、このタイミングで緊急依頼が出されるほど多くのゴブリンが現れているというのは、いかにゴブリンの繁殖力が強いとしてもおかしいのである。
という訳で何かがあったのだとフリードは思いこの依頼を受けて森まで来ていたのである。
森に入ると直ぐにいくつものゴブリンや他の魔物の気配を感じた。
「ホントにゴブリンで溢れてるな、しかも他の魔物もこんなに…」
(にしてもこれは多すぎだろ…)
フリードは新たなに習得した職業のスキルも十全に使い縦横無尽に森の中を駆け巡る。
ゴブリンの攻撃を≪剣士≫の《いなし》、≪騎士≫の《守術》を併用し捌ききり返す刃で魔物の首を一撃で刈り取り、コボルトという二足歩行をする犬のような魔物の体を《剣術》で真っ二つに、スライムという粘性の流動体をした魔物の魔石を《格闘技》や≪武道家≫の《武術》で砕き奥へ進んでいく。
途中何度も剣が刃こぼれして切れ味が悪くなる度≪鍛冶士≫の《研磨》《鋭利化》を使い使える状態に戻し魔物を狩り続ける。
森の奥へ進んで行くとゴブリンの上位個体のホブゴブリン、コボルトの上位個体のハイコボルト、スライムの上位個体レッドスライム、ブルースライム等が現れはじめた。
(こんな浅い場所に上位個体まで出てくるなんておかしい…少しギアを上げるか…)
フリードは《身体強化》《隠密》≪戦士≫のスキル《筋力強化》等の強化系スキルを持続的に使い魔物を倒していく。
少し強いぐらいの魔物じゃ、いくつものスキルを使うフリードの敵にはならず先程と変わらないスピードで魔物を狩り続ける。
フリードは持ち前の多数のスキルを使いながら魔物を片っ端から倒していった。その間も、フリードの身のこなしはどんどんと研ぎ澄まされていく。
―――――――そのとき森のさらに奥の方から大きな爆発音と悲鳴が聞こえてきた。
バコンッッ
「「うわぁぁぁぁぁ」」
―――急いで音のした方に向かうと
そこには、腰を抜かして後ずさっているザッシュとドゴン…
その視線の先には、森の木々を焼き付くしながらザッシュらに迫る炎を纏う化け物がいた…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます