第48話

結局ルッカ様の御屋敷の料理人はほとんど解雇されたらしいの。

今回の事件に関係ない人も今までの料理を捨てられないと言う人は他家への紹介状を持たせたそうなので路頭に迷う事は無いみたいで良かったわ。

わずか数人残った料理人と見習いさんはナンミとも仲良くむしろ上司にバレないようにこっそり手助けをしてくれていたメンバーで表立って私のところで料理をしてみたいとは言えなかったもののナンミから話を聞いていて憧れていたけれども職を失うのが怖くてこっそりしか助けられなかったと申し訳なさそうにしていたそう。

ルッカ様はやる気のあるのなら今回の事は咎めないから必死で私の元で修行するように檄を飛ばしたが私の負担を増やしてしまい申し訳ないとしょんぼりしていたのを見て子犬のようだわと思ってしまったのは本人には言えないわね。


「ちょっと!鶏ガラ出汁担当だれ?」

「はい!僕です」

「火が強すぎて煮立ってしまっているわよ。」

「うゎっ、すみません。」

弟子?が増えた事によってお菓子作りより料理をする事がここ数ヶ月増えてしまったナンミだけれども、もう少ししたらまたパティシエとして育てていけそうな目処がたちそうで良かったわ。


「おい、焦らなくていいからゆっくりやってみろ、あーそうじゃねーよ貸してみろ!」

ちょっと言葉遣いは悪いけれども面倒みの良いアストロがリーダー向きな性格で本邸の厨房の料理長を任せても良いかもしれないと私が密かに思っているの。

ルッカ様が孤児院に慰問に行った際に料理人を目指しているが孤児院出は中々弟子にして貰えないと悔しそうに言っているのを偶然聞いてやる気が有るならと引き取って働いていた子らしくて、彼が1番ナンミを助けて守っていてくれたらしいの。

歳上のお節介かもしれないけれどもナンミとアストロはなんだかいい雰囲気でお似合いに見えるのよね。余計なお世話は出来ないけど内心2人が仲良く夫婦になったら素敵だなと思うわ。


日々過ぎるのがあっという間で気づくとこの世界に来て3年がたとうとしていた。


由布子とルッカとの関係は進展せずお互いをそっと想いやり咲百合の成長を見守り時々タスマニアを巻き込んで新しい事をするそんな日々に大きな転機がすぐそこまでやって来ていることにまだこの時は気づいていなかった。


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一旦話を区切りました。

料理ものの話が減ってきてる……

でも、由布子とルッカの物語?も書きたいそんな今日この頃です。( ̄▽ ̄;)

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