第46話
「ふ、ふふふ、ふふふふふ…」
ちょっとドン引き気味でこの笑いをみんなで見てたけどそろそろ止めようかしら。
「ちょっとアンナ、その笑い方怖い!」
さすがにナンミが先に止めてくれたけどカミル君も顔が引きつってるわね。
「だってぇ、私がこんな風にお菓子作れるなんて思わなかったからさ」
確かにこの世界は砂糖が貴重なのでお菓子を普通の人が作ろうとは思えないわね。
「確かに横で指示してもらったとはいえ1人で作ったクッキーを食べるのはなんとも言えないけど。」
「でしょ!でもユーコ、さんが作ってくれたクッキーよりも硬い気がするんだよ。」
アンナには宿屋時代に何度かクッキーを焼いてあげているから違いに気づいたわね。
クッキーってあまり力任せに混ぜちゃうと硬くなりがちなのよね。
日本にいた時とは違いこっちの小麦粉の性質なのか特にそうなりやすい気がするわ。
「それじゃほかの人が作ったクッキーを食べ比べてみるのはどうかしら?」
せっかく気づいたのだから料理もお菓子もちょっとした手間暇や力加減で変わる事を体感して貰えたら色々と今後に繋がっていくと思うの。
「うーん、カミルのが1番サクッとしているかも。」
「確かに私もそう思う。」
「でも僕のは少しボソボソしてるけどナンミさんのはしっとりしててこれはコレで美味しいですね。」
うんうん、厚みや焼き加減でも変わってくるからこういうのは経験だしこうやって食べ比べるのもそれぞれ発見があっていいものね。
ロン君とウィスター君もよく二人で食べあってあーでもないこーでもないってしてたわね。
2人とも頑張っているかしら。
何はともあれ初めてのお菓子作りとしては上々のスタートになったと思うわ。
ちなみに私のクッキーも食べてもらったけどサクサク系でみんなコレが作れるようになりたいって言ってくれたのはちょっとほっとしたのはナイショ。
この世界ではかなりの腕前扱いされているけど私自身の手柄でもないしそこまでの腕前でも無いからやっぱり教えていても不安にはなってしまうし、これでいいのかしら?と悩む事も有るけれども地球にいたプロたちレベルになるのは他の人に任せるとしてまずサンクート様に頼まれた新しい料理やお菓子を広めて職人を育てて行ければそのうちプロ達がもっと素晴らしいモノを作り出してくれると信じて出来ることをする事にしましょう。
残ったクッキーは咲百合と何故かルッカ様とまるで幸せな家族のようにお茶をしながら食べた由布子だった。
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「ふふ、由布子も咲百合もいい顔で笑うようになって良かった。」
そんな微笑ましい家族の団欒タイムをこっそり覗いていたのはいつもながらの?サンクートだったがルッカなら由布子達を任せても大丈夫かなと最近では穏やかに見守っていることはもちろん本人たちは知らない。
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ご無沙汰しておりますm(*_ _)m
毎度亀以下のスピード更新で申し訳ないのですが今年も読んでくださった皆様に感謝です。
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