第42話

アンナさんは今回急に弟子入りが決まったので1度戻り荷物や今まで魔法を教えていた子供たちに挨拶してからまた来る事で話がまとまった。

子供たちにはボランティアで教えていたのでキリのいい所で辞めるのは問題無いみたいだけれども楽しみにしていた子供たちにはなんだか悪いことをしたわ、と思っていると元々アンナさん以外も教えていて今も他にも時々教えている人がいるそうなのでちょっと安心したわ。


やっぱり生きていく上でこの世界では魔法が使えた方が便利だもの。

最近では私もお湯の準備とか、クリーンの魔法はかなりの頻度でお世話になっているわ。


それ以外は何となく使う機会も見せるのもなんだか恥ずかしくて(この世界の大人として知らないのは不自然かと思ったので)

その後咲百合が起きてアンナさんが居ることに大喜びしてさっそくふわたんを紹介していたのは親バカだけれども可愛らしくてホッコリしてしまったわ。


寝ている間に角うさぎにビックリしたアンナさんには説明してあったので、

「サーユ良かったね、ちゃんと面倒を見るんだよ。」

と優しく頭をナデナデしてもらってハニカム咲百合を写真を撮りたくなってしまうけれど今はカメラほ無いのが残念ね。

こうやって異世界転移や転生のお話で知識チートで欲しいものを揃えてくなる気持ちがわかる気がするわね。



とにかくパティシエ誕生もそう遠くないうちになりそうでサンクート様もきっと喜んでくれるはず(料理系の発展を望んでいたから大丈夫よね?)


今ところはナンミに一通りの基本的な料理系のレシピを教えているけれどもそちらの方ももう1人位は近々補充が入るみたいでどんな人が来るのか楽しみだわ。



こんなに異世界生活が順調かつ、穏やかに過ぎていくことにサンクート様に感謝を忘れずコレからも、無理の無い範囲で料理やスイーツの発展に貢献出来ればいいと思える事を幸せに感じていたわ。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「料理人の招集に失敗致しました。」

「なんだと?」

ダーンと机を殴りつけながら意地の悪そうな顔を真っ赤に歪ませこの世界では珍しい真ん丸な身体を震わせている中年男性に神経質そうで目つきの悪い悪役執事のような男が話を続ける。

「件の料理人を訪ねてみたのですが既に宿屋は閉鎖しジョバンニ公爵家の次男ルッカ様の庇護を受けており手出しが難しくなっております。なお提携商会も当初からあるようでそちらも公爵家の御用達としての認定があるようで割り込むことも難しくなっております。」

「せっかくワシが召抱えてやろうとしたのにジョバンニ公爵家に邪魔されるとはあの若造には何度となくワシの邪魔をされるとな。」

完全にイチャモンであり過去の邪魔はこの男が悪事を働いているから阻止されていただけに過ぎないのだがこの手の輩にはそんなことは通じないのだった。


そして今回もまたコソコソと悪巧みをしているのはジョバンニ家にはバレバレなのに懲りずに計画してしかも今度こそ自分たちがいい思いをするという皮算用をしているとは思っていないという小悪党ぶりを発揮していたりもするのはサンクート様はちゃんと見ていたりもするのでしっかり天罰も降るのは後々のお話だったりもするのだった。



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