第10話 追憶

娘の手引きで自宅に侵入した同僚が作った味噌汁は、亡くなった妻が生前に作っていたものによく似ていた。一口啜ると、最後に交わした妻との会話が甦った。

「行ってきます」「行ってらっしゃい」ただそれだけの会話。

その後、妻は娘を保育園に送った帰り道で速度超過の暴走車に轢かれた。

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