第27話 伊勢神宮の奇跡
■無敵の神の宮
(民衆が頼れる神)
「『伊勢神宮の奇跡』って知っとる?」
「えっ? いや…」
「何度も台風を切り抜けたそうな」
「ほんま?」
「うん! それに、空襲も」
「なんやてーっ!!」
・・・
「伊勢に空襲などなかった」
・・・
そう考えていた。
しかし、実は「あった」という。
台風に関しても、不思議な現象が多発。
神宮の建物は、倒木の直撃を何度も切り抜けている。
まるでイエスが、風を叱ったように。
■巨大台風が襲い掛かったが・・・
猛威を振るった伊勢湾台風。
巨木がめりめりと音を立ててへし折れ、周囲の森は倒木だらけ。
もちろん、神宮の森も建物も風にさらされ、周囲に生えていた巨木はなぎ倒された。
ところが・・・
正宮(しょうぐう)周辺の樹木は、右に左に建物を避けて倒れ、
結局、一本も打ち当たることなく、また、垣根でさえ無傷だった。
目撃者は、こう言った。
「台風はしばしば竜巻状となったというのに、算を 乱して倒れた御正宮周囲の樹林も、一枝だに御正宮には倒れかからず、無数の倒木がすべて御垣すれすれに倒れ伏しているのであった。その有様は、さながら御正宮を死守して倒れた勇士の姿であった。」
「右に左に倒れながら御垣(みかき)だに損傷していない不思議な姿は、神木霊ありというほかはなく、各宮すべて御正宮は安泰であった。神威まことに厳然たりしこと一点の疑いなく・・・」
【正宮】しょう_ぐう シヤウグウ
分社・摂社・末社に対して、神社の本宮。本社。
【御垣】み_かき
宮中・神社などの神聖な地域のまわりにある垣。
「同じ『みかき』の内ながら:源氏{賢木}」
あまりにも、不思議な光景。
これに関する報道はあったそうだが、周知徹底されていない。
更に不思議なのは「空襲」。
実は、伊勢神宮にも空襲があったのだ。
それも三度。
■なぎ払われた爆弾
「一度目」は『二十年一月十四日』
外宮の領域に六発が投下された。
周囲の建物に小さな被害が出た。
しかし「正宮には異常なし」。
「二度目」は『六月二十六日』別宮に投下。
「太郎杉」という巨木が失われたが、やはり正宮は無事だった。
「三度目」は『七月二十八日』。
B29が四十機飛来し、宇治山田市に焼夷弾を投下。
この日は計画的に神宮が狙われ、正宮の真上に落とされた。
深夜を過ぎ、日付が変わって二十九日、そこで消防のため待機していた人々は、不思議な光景を目にしている。
「あれは何だ!」
「途中で爆弾のコースが変わっている!」
「おおっ!!」
赤い尾を引いて落下する焼夷弾は、
正宮の上に達すると、斜めにコースを変え、五十鈴川の対岸(鼓が岳方面)へ吸い込まれていったという。
遂に爆弾は、一発も当たらなかった。
彼らは確信した。
「宮は何かに守られている!」
(詳細は付録資料に)
■伊勢に眠る神
我々は、その神が誰であるかを知っている。
→ 石とイエスと伊勢神宮
マタイ 8:23
イエスが舟にお乗りになると、弟子たちも従った。
マタイ 8:24
すると、見よ、湖に大暴風が起こって、舟は大波をかぶった。ところが、イエスは眠っておられた。
マタイ 8:25
弟子たちはイエスのみもとに来て、イエスを起こして言った。「主よ。助けてください。私たちはおぼれそうです。」
マタイ 8:26
イエスは言われた。「なぜこわがるのか、信仰の薄い者たちだ。」それから、起き上がって、風と湖をしかりつけられると、大なぎになった。
マタイ 8:27
人々は驚いてこう言った。「風や湖までが言うことをきくとは、いったいこの方はどういう方なのだろう。」
嵐をも鎮めるイエス。
「風」に命ずることができるのだ。
ならばなぜ、軍部はこの神に頼らなかったのだろう?
それは、神道の大祭司である昭和天皇が、「戦争には反対」だったからである。
「大陸には出るな!」
天皇は伊勢の神の霊を受けて、その態度を決めていた。
仕方なく軍部は、靖国を中心として戦争を遂行した。
なぜ天皇の意向を無視したのか?
・・・
従って、伊勢は戦争に加担せず、その間「眠っていた」ことになる。
神道では、「神を放置していると眠ってしまう」と言われている。
弟子たちが常に、呼び起こすのでなければ、神は眠る。
それを聖句が教えている。
では、当時の軍部が祀り上げていた神・・・
それは、一体誰なのか?
※ 日本は、「現人神」(あらひとがみ)の思想によって道を外れ、「天皇」を神として伊勢の神を眠らせ戦争に負けた。(当然だった)
■「二人のイエス」を忘れるな
聖書を読み解くなら、「二重定義」を忘れることはできない。
「イエスが二人いる」と知っている人は、太平洋戦争をどのように捉えるのだろうか?
→ 当時、「もう一人のイエス」が日本に来ていた
聖書でイエスは、次のように話している。
マタイ 10:34
わたしが来たのは地に平和をもたらすためだと思ってはなりません。わたしは、平和をもたらすために来たのではなく、剣をもたらすために来たのです。
マタイ 10:35
なぜなら、わたしは人をその父に、娘をその母に、嫁をそのしゅうとめに逆らわせるために来たからです。
マタイ 10:36
さらに、家族の者がその人の敵となります。
イエスが二人いるので、こうした表現が当てはまる。
事件も二重成就の形をとる。
つまりイエスは、「『もう一人のイエス』が来ること」も含めて話していたわけだ。
本物のイエスは、確かにユダヤの宗教組織を震撼(しんかん)させた。
その時期、ユダの都では「ユダヤ教の家」が分裂している。
ルカ 12:51
あなたがたは、地に平和を与えるためにわたしが来たと思っているのですか。そうではありません。あなたがたに言いますが、むしろ、分裂です。
ルカ 12:52
今から、一家五人は、三人がふたりに、ふたりが三人に対抗して分かれるようになります。
ルカ 12:53
父は息子に、息子は父に対抗し、母は娘に、娘は母に対抗し、しゅうとめは嫁に、嫁はしゅうとめに対抗して分かれるようになります。」
それから後(のち)、古代ユダヤには「もう一つの成就」が降りかかった。
イエスの死の直後に、「別のイエス」が現れたからだ。
「復活した」とされるイエスが実は、「亜のイエス」(偽者)だった。
結果、その後40年も経たない西暦70年にエルサレムは滅ぶ。
ローマによりユダ王国は徹底して壊滅。
その頃、イエスの話を聞いた世代は、まだ過ぎ去っていなかった。
さて、
この話は、極東の『荒野』に逃れた「もう一つのユダヤ」にも降りかかった。
それは、東の果てにある不思議な国家だ。
■明治期に、「もう一人のイエス」が来ていた
明治41年(1908年)に、奇妙な出来事があった。
→ ツングースクの大爆発
ロシア森林地帯に、直系100メートルもある星(巨大隕石)が落下。
周囲の森の木をなぎ倒した。
マルコ 13:23
だから、気をつけていなさい。わたしは、何もかも前もって話しました。
マルコ 13:24
だが、その日には、その苦難に続いて、太陽は暗くなり、月は光を放たず、
マルコ 13:25
星は天から落ち、天の万象は揺り動かされます。
マルコ 13:26
そのとき、人々は、人の子が偉大な力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを見るのです。
この時期、日本には「もう一人のイエス」が来ていたことになる。
彼は、明治・大正・昭和と続く40年にも満たない期間に大変化をもたらし、民衆は大いに混乱する。
「靖国神道」が軍部の中心となり、伊勢は辺境へと追いやられた。
これ以後の日本は、靖国の名において戦争を遂行する「現人神」神道国家となる。
(諸外国は靖国を、通称で『戦争神社』と呼ぶ)
【靖国神社】やすくに_じんじゃ
東京都千代田区九段にある神社。国事に殉じた者の霊をまつるために一八六九年(明治二)招魂社として設立。七九年現在名に改称。明治維新から第二次大戦に至る戦死者二百四十万余柱の霊を合祀(ゴウシ)。
兵士たちは、「九段坂で会おう」と言い交わして命を散らし、
日本は二発の原爆をくらって敗北した。
流れは、古代ユダ王国と同じ。
しかし日本は、当時のような「壊滅」を免(まぬが)れた。
なぜだろう?
伊勢に「本物イエスの座」が据えられていたからだ。
その神通力が、自らの社(やしろ)を守った。
人々が、この神にすがってさえいたら・・・
そして戦後70年。
眠っていた「本物イエス」が、光を放ち始める。
マルコ 13:27
そのとき、人の子は、御使いたちを送り、地の果てから天の果てまで、四方からその選びの民を集めます。
マルコ 13:28
いちじくの木から、たとえを学びなさい。枝が柔らかになって、葉が出て来ると、夏の近いことがわかります。
マルコ 13:29
そのように、これらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口まで近づいていると知りなさい。
マルコ 13:30
まことに、あなたがたに告げます。これらのことが全部起こってしまうまでは、この時代は過ぎ去りません。
マルコ 13:31
この天地は滅びます。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません。
マルコ 13:32
ただし、その日、その時がいつであるかは、だれも知りません。天の御使いたちも子も知りません。ただ父だけが知っておられます。
マルコ 13:33
気をつけなさい。目をさまし、注意していなさい。その定めの時がいつだか、あなたがたは知らないからです。
古代とは逆に、
日本周辺は明るさを加えてゆくだろう。
待望の「夜明け」だ。
国家の闇は、日ごとにかすんでゆく。
(資料:広辞苑 第五版CD-ROM版)
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付録資料: 「みどり松のブログ」様から拝借
2013年4月15日 (月)
伊勢大神宮が空襲を受けたときの奇蹟
(掲示板からの転載)
■『明窓浄机』昭和四十二年十一月より
皆さんは戦争中に伊勢大神宮に米軍の空襲があったことを御存知ですか。私は寡聞にして戦中は勿論、戦後もそのことについて今まで知らされていなかった。〈或は私がそのような記事を読みおとしたのかも知れないが。〉
ところが、この『新日本春秋』紙の八月二十五日号にその当時のことが掲載されているのである。
その掲載の動機は、『週刊讀賣』八月十八日号に、近藤某という男が神宮大麻を模造製作して「立派な天照皇大神宮の大麻につき、ご安心のうえ頒布してくださ い」と単立各神社に呼びかけて頒布しながら、一方で「伊勢神宮が第二次大戦で空襲を受けた」ことで「神宮の神力は否定された」といい、伊勢台風のときにも 「ほんとうなら伊勢神宮が防ぎとめなければならんのに、神宮がひどくやられてしまった。
日ごろえらそうなことばかりいっているのに、神力が足らんじゃない か・・・・・」といっている記事が載っていたのに対する反論として・・・
伊勢湾台風のときには数抱えもある太い杉の大木が風力によって幹の 中途から挫し折れ、薙ぎ倒されたにかかわらず、その倒木が伊勢大神宮の御正宮には一本も倒れかかることなく左右に倒れて御正宮には何の被害もなかった台風 直後の実状を角田氏自身がその眼に見たことを次のように書いているのである。
「台風はしばしば竜巻状となったというのに、算を 乱して倒れた御正宮周囲の樹林も、一枝だに御正宮には倒れかからず、無数の倒木がすべて御垣すれすれに倒れ伏しているのであった。〈註・その写真が出てい た〉 その有様は、さながら御正宮を死守して倒れた勇士の姿であった。
右に左に倒れながら御垣だに損傷していない不思議な姿は、神木霊ありというほかはなく、各宮すべて御正宮は安泰であった。神威まことに厳然たりしこと一点の疑いなく・・・・・」
このような光景は当時吾々の機関誌にも報道されたのであるが、吾々のきいた処によると、台風が伊勢内宮の正宮の前まで来ると突然台風が進路をかえて二つに分れて左右に走った。
それで神宮左右には巨木が倒れていたのであるが、数抱えもある杉の大木を途中から吹き折るほどの風力であるから、人間が構築した神宮の建物など、当り前な ら寸断されて吹っ飛んでしまっても当然であるのに御垣ひとつすら風で吹きとばされなかったというのは、周囲の神木が正宮を護ってくれたというよりも、神宮 神霊の神威顕現によって、さすがの暴威を揮(ふる)った伊勢湾台風も正宮の前まで来ると正宮社殿には一指も触れられないで、二つに割れて飛び散ったという方が、真実だという気が私にはするのである。
台風一過後生長の家誌友が多勢、倒れた神木の整理や後片付けに奉仕して、その時、いろいろ 奇蹟的な体験が報ぜられていたが、それは当時の機関誌等に載ったから、それに譲るとして、神宮の神威の顕現は伊勢湾台風をすら正宮の直前で、台風の方向を 破壊してしまう力がある位であるから、伊勢神宮に空襲があり、爆弾や焼夷弾をいくら投下しても、それを撥ね返してしまう力があっても不思議ではないのである。
『新日本春秋』八月二十五日号によって、私は迂闊にもはじめて伊勢神宮にも空襲があったことを知ったのであるが、同氏は杉谷房雄氏の手記を要約して次の如く同紙に書いている。
『神宮爆撃は前後三回に及んだ。第一回は二十年一月十四日外宮宮域に六発投下、五丈殿、斎館に小被害があったが御正宮にはなんらの異状もなかった。
六月二十六日には度会郡瀧原村の別宮瀧原宮に投下、名木 〃太郎杉〃 を失ったが御正宮は御安泰、そしてこの両度の投弾は日本機の追撃を逃れるための暴投といわれ、最後の七月二十八日に至っては計画的な神宮大空襲が行われたのである。
■反復三回の集中弾
神宮を空襲したのは深夜午前一時から三時までであり、正確には七月二十九日であった。この夜は高倉大宮司、杉谷官房主事、慶光院禰宜らが内宮御正宮階下に 詰め外宮には野上儀式課長以下が部署についていた。その他に近衛一箇大隊、神宮特設消防隊(民間)が両宮警護に詰めていた。
十二時頃に は名古屋方面に落下し炎上する焼夷弾が望見され、一時頃B29約四十機が宇治山田市に襲いかかり、反復焼夷弾を投下した。外宮防衛の指揮をとっていた野上課長は、外宮全域が火の海になったような明るさに驚いたが、被害は前記の通り、御正宮には一発も当たらなかった。
■投弾全部が対岸へ
やがて内宮上空に敵機は殺到し三回にわたって反復投弾した。雨のように落下する焼夷弾は赤い尾をひいて頭上に迫り、死を決した職員たちも思わず首をすくめた。
爆撃は漸次正確となり、中心に迫り、三回目は正宮真上に襲いかかった。息をのみ見上げる職員たちの目の前で、御正宮数百メートル真上まで落下した無数の敵弾は、にわかに斜線を描き吸い込まれるように五十鈴川の対岸鼓ヶ岳の方向へ落ちて行った。
ついに一弾も五十鈴川以内の神域を犯すことはできなかった。高倉大宮司以下の職員も、警備の諸隊員も、名状しがたい感動にしばし呆然となりやがて相抱いて泣いたという。
これが神宮空襲の真相である。
「神力は否定された」どころか目のあたり「神威」は鮮烈に示されたのである。』
当時のアメリカ空軍の爆撃の照準は随分精確であって、明治神宮への空襲の際の如きは、神宮内苑の参道の左側にあった、何の樹か知らぬが幾抱えもある古木の幹だけ残っているのが、神霊宿るが如く注連縄を張ってあるのがあったが、
アメリカ軍の空襲の目的は、
「神なんて無いんだぞ。この通り、アメリカ空軍の爆撃はお前たちが信じている神さまでも吹っとばす。日本神国なんてウソだぞ」
ということを実物教育によって知らしめることによて日本国民の戦意を失わしめることにあったのだから、
この一本の神木〈注連縄を張ってあるから神様として日本人が祀っていると米軍は思ったのであろう〉に覘いたがわず焼夷弾を命中せしめて、その神木だけをキレイに焼失せしめながら周囲に何らの被害も与えていなかった。
それほど覘(うかが→ ねら)いを間違えぬアメリカの空襲が神宮正宮を覘い射ちしながら、御正宮数百メートル真上まで落下した無数の敵弾はにわか斜線を描いて、吸い込まれるように五十鈴川の対岸、鼓ヶ岳の方向へ落ちて行って、ついに一弾も五十鈴川以内の神域を犯すことができなかったのは何故であるか。
つまり神宮神霊の威力によって、台風の方向を変えたように敵弾落下の方向を五十鈴川の対岸の鼓ケ岳の方向に急斜線を描いて変向せしめたのである。これによって神霊の威力が物理的力よりも強いことが証明されてるのである。
「その位に神霊の力が強力ならば、全然伊勢台風などが起らないようにすればよいし、日本を敗戦させたりしなかったらよいではないか」 というような反論が 唯物論者からは出て来るであろうが、角田氏はこの問題に関して 「神力とは何か」 という小見出しの下に、次のように答えているのである。
神力とは何か
『神力 ―― すなわち神を現象的・物理的に認識しあげつらう表現は、すでに敬神の本質とは無縁の世界である。まことなる敬神は、奇跡やご利益の条件付ではなく、無心天真の嬰児がたらちねの母親を慕うごとく、ひたすらなる敬慕と随順である。
御創建以来、一点一画の変改なく、清浄・簡素なる「唯一神明造り」を伝承し造営してきた伊勢神宮の結構と神域のたたずまいは、至純なる民族精神〈敬神崇 祖〉の本質を象徴するものとして、内外の宗教学者、建築学者にきわめて高く評価され、
これこそ 「人類のふるさと」
としばしば激賞されたことも、所詮は 日本神道の真髄を指すものにほかならない。
『かつて、大阪方面から団参した一商店主が、参宿所の浴場で 「きょうの参宮は本当 によかった。肩の荷が下りた気持だ。内宮の大前に立ったとき、身も心も清められた思いがし、これからはいよいよ正直に、神様に恥かしくない毎日を送りたい としみじみ思った」 と述懐していた。
これが庶民のまごごろであり、西行法師の
なにごとのおはしますかは知らねどもかたじけなさに涙こぼるる
の歌とも、一致するのである。
嬰児の心にかえる、民族の初心にたちかえる、そこに救いがあり、そこから迷いなく汚れなき人生に再出発する。それがまことなる敬神の道であり、 「神のあかし」 である。
「神を見る者」は、行住坐臥森羅万象にそれを見る。奇跡やご利益を条件として「神のあかし」を求めるは外道であり、ついに永久に神を見ることはできない』
併し奇蹟的な御利益を求めないでいながら、其処に奇蹟が起るのが真の神域であり、現象界は唯心所現の世界であるから、日本国民ぜんたい又は大部分の心境が、日本国内の現象として起るのである。
従って国民ぜんたいの心が荒れないことが日本国ぜんたいに繁栄と平和の理想世界を建設する精神的支柱となるのである。
伊勢神宮の神霊・天照大御神の御心境は常に平和に明るく調和して、荒れすさぶということがあり得ないから覘い射ちの焼夷弾も急カーブの描いて五十鈴川の対 岸に外れてしまったのであり、千年の樹齢の巨木の幹を途中から吹き折るほどに猛烈な台風も、神宮の正面までくると突然左右に分裂して神宮に一指も加えるこ とができなかったのである。
ある新興宗教では自分の宗派の信者をふやすために、「伊勢神宮には既に神霊ましまさず邪霊の住処と なっている」 などと妖言を言い吹らす者があるが、信教の自由、言論の自由を保証する現行の日本国憲法も、ここまで國祖の大神の尊厳を害することに利用されるに至っては、最早、このまま放置すべきではない段階に来ていると私は思うのである。
以上
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