ワールド・オブ・リス

渋谷かな

第1話 その名は、アリス。

「いい天気だな~。」

 アリスは普通に日常を暮らしていた。アリスは13才の少年。

「おはよう。」

 そこにイリスが現れる。イリスはアリスと同い年の幼馴染の少女。

「イリス、学校に行かなくていいのか?」

 二人は中学校一年生。

「何を言っているの? 今日は日曜日よ。学校は休みよ。」

「あ、そっか。」

 笑って誤魔化すアリス。

「じゃあ、デートしよう!」

「しません。」

「イリス! 大好き!」

「私は好きじゃありません。それに私はアリスみたいに暇じゃないんですから。」

 少しムッとするアリス。

「こら! アリスって言うな!」

「いいかげん慣れなさいよ! 男女!」

「なんだと!? アリスが男の名前で悪いかよ!?」

 アリスは自分の名前にコンプレックスを持っていた。それを知っていていじるイリス。

「相変わらず、おまえたちは仲がいいな。ワッハッハー!」

 そこに孤児院のウリス神父様が現れる。

「ジジイが笑うな!? そもそも、おまえが俺を女だと思って、アリスと名前を付けたのが事の始まりだろうが!?」

「そうだったっけ? アハッ!」

 笑って誤魔化す神父。

(まだアリスという名前がカモフラージュだとは気づいていないな。カワイイ奴め。)

 何かを隠している本心は意味深な神父。

「ところで、おまえたちも13才。そろそろ冒険の旅に出る修行を指せようと思う。」

 この異世界リスでは、13才で冒険の旅に出る準備を行う。

「やったー! 学校に行かなくて済むぜ!」

「バカ者! 修行は学校が休みの土日だ!」

「チッ。」

「舌打ちすな!」

 修行は土日に行われるので学校に行かなくてはいけないのでアリスはがっかりした。

「アリス、態度が悪いわよ。」

「どうせ俺はダメな子ですよーだ。」

 しっかり者のイリスに、わがままなアリスだった。

「よし! いっぱい修行して強くなって冒険の旅に出かけてやる!」

 アリスは夢と希望を胸に冒険に出ること楽しみにしていた。

「ギロッ!」

 この時、アリスは知らなかった。冒険には危険が付き物だと。

 つづく。

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