第37話 ラブとエロの境界線
女の子のコイバナ的なことをするとき、盛り上がるイベントと言えば当然、告白、初デート、手をつなぐ、キス、そして、まあ……えちちな話へとなるかなと思う。
そして今日は十年来の友情を育んできた大切な幼馴染二人が一人の男の子に告白し……
「ど、どうですか? わ、私の……す、澄み渡るような空色……そして、布面積も少なく……ほぼ紐で、お、お尻も丸見えで……どうです? このスカイ紐パンティーは……も、もっと、あなたなら、もっと顔を近づけても……」
「うぅ、だ、ダーリン、私のも見て! この情熱的な赤い色と刺繍された薔薇……魅惑と禁断の食い込み……す、すごいでしょ? 私の……ローズパンティなんだからね!」
その二人が屋上で、同時にスカートの裾を自分でたくし上げながら、セクシーな勝負下着を男の子に見せつける。
乙女の細くすべすべな白い足。ソックスと膝とスカートの間の魅惑の肌色ふともも領域が、スカートをたくし上げることによりエリアが広がる。
二人とも流石に恥ずかしくて顔を赤くして、相手の目を見れずに少しそっぽ向いているけど、二人は既にやる気満々で……軽くぐるっと一周回って、お尻だって見せちゃって……白くて小ぶりでカワイイお尻……
「うぷっ……うぇ……」
そして男の子……セカイくんはその場で顔を真っ青にしてえずきながら蹲ってしまった。
「ちょ、セカイ!」
「ダーリン、大丈夫?」
いや……オメーらの所為だよ……と、心の中で思うも、私はもう「どうしてこうなった?」な状況に呆然としちゃってた。
「はあ、はあ……いや、お前らマジで……」
一時間目の授業は、担任の先生がたまたま休みで休校となり、自習……なんだけど、今朝の一件もあってか、アネストちゃんとディーちゃんはセカイくんの手を引っ張って屋上へ……そして、こうなった。
セカイくんのエッチに耐性をつける、ハレンチ特訓……
「やはり……下着だけでもダメとは……」
「純情なのね、ダーリンって……ねえ、じゃあ……触ったりするのもダメなの?」
「はあ、はあ……あ?」
まずセカイくんは何からダメなのかチェックで、二人そろってパンツを見せた……って、二人でやる必要ないじゃんか。
「その……本当はもっと時間を重ねて、ロマンティックな空気で……だ、だけど、そうも言ってられないでしょ? クラスの……い、淫乱な女の子たちがダーリンを月末までに襲おうとしているんだし……」
あのね、ディーちゃん。今となってはヤリィマンヌちゃんとディーちゃんたち、大差ないよ? と、私は思っている。
「だから、す、少しずつ……ダーリン……まずは手を出して?」
「ん? あ……ああ……」
「……ぎゅっ♡」
「お、あ……おお」
おおっと、向かい合うように手を握り合う! しかもただの握手ではなく、指と指を絡め合う恋人繋ぎ。
「こ、これぐらいなら、ダーリンも大丈夫なのね」
「あ、おお、まぁ、な……」
「うん、ダーリンって手……やっぱり逞しくて大きいのね」
「そうか……おめーはちっちぇーな」
「うふふふ……にぎにぎ♡」
まずはセカイくんがどこまでなら良くて、どこまでならダメかを確認するための手つなぎ……って口実だろうけどね!
ディーちゃん、サラリと恋人つなぎとか羨ましい……私もどさくにさお願いしちゃおっかな?
「セカイ、ずるいです! わ、私も……」
「あら、アネスト。もうダーリンは手をつなぐのは大丈夫って分かったんだから、あなたまで確かめる必要はないでしょ?」
「うっぅ……」
自分も手をつなぎたいと主張しようとするアネストちゃん。しかし、ディーちゃんのイジワルに遮られ、ちょっと涙目……だけど、そこでへこたれないのが、ニューアネストちゃん。
「……セカイ……手を……」
「ん?」
「……ちゅっ♡」
「ッ!?」
おおおおっと!? 手の甲にチューした!?
「あ、アネストッ!?」
「お前……」
「うふふ……手にキスも大丈夫なんですね?」
そして、味を占めたかのようににたりと笑いながらアネストちゃんはそのままセカイくんの手にキス連射。キスの雨。ちゅっちゅちゅっちゅと何度も降り注がせる。
さらに……
「く、くすぐってーよ……」
「だめです。まだ……まだ……………」
くすぐったそうにして逃れようとするセカイくんの手をガッチリ掴んだまま、アネストちゃんはジッとセカイくんの手を……指を見つめて……
「はあ、はあ……はぅ……なんて逞しい……うぅうううう……」
「あ、アネスト?」
「……あ……あむっ!」
「ッッ!!??」
咥えたあああああああああああああ!?
「はむはむ♡」
セカイくんの指を口に含んで吸ったり、なぞるように舌で這わせたり……いやいやいやいや!
「ちょ、おま、き、きたねえよ、やめろっ! なにすんだよ!?」
「アネスト! な、何やってんのよ!?」
「あっ……うぅ~……」
セカイくんが慌てて手を引っ込める。その逞しい手の指先は、アネストちゃんの唾でテラテラに輝いて……おぉ……流石にこれには開いた口が塞がらない。
そしてアネストちゃん本人は物足りなさげに自分の指を咥えてトロンとした顔で「う~」と唸って……なんちゅうエッチな顔してんの!?
「お、おい、アネスト……お前……なんてことをしてくれて……」
「あ、ご、ごめんなさい、セカイ……わ、私、負けたくなくて……ええっと、け、けっこうなお手前で……」
「いや、さす……がに……うぷっ」
「セカイッ!?」
「……いや、大丈夫……持ち直した……」
あっ、これはセカイくんも「エッチ」と判断したようで、顔が青くなっちゃったけど、ギリギリセーフなのかな?
さすがに、指をちゅぱちゅぱは……ん?
「なによ……ず、ずるい……私だって……」
おおっと、ディーちゃんがムスッとして悔しそうに歯ぎしりし……
「うぅ~……ま、負けたくない……わ、私だって……でも、指はもう咥えられて……じゃぁ、足の指? ううん……いっそ……うううう、でも、さ、流石にそれは! で、でも、いずれ……だったら今でも……れ、練習で」
このまま負けてたまるかと負けず嫌いなディーちゃんは、なんか唸りながら……足の指? いやいや、流石にそれは常識的に……ん? 足じゃない? ディーちゃんはチラチラとセカイくんの……股間を……ッ!?
「落ち着いて、ディーちゃん! そ、そこを咥えたらもう色々とダメだよ!」
「な、何を言ってんのよ、シャイニ! べ、別に、わ、私は、ダーリンの……ダーリンの……おち――――」
「アウトぉおおおお! アウトぉおおおお!」
ってか、おかしくない?
いつもならバカやる私をアネストちゃんとディーちゃんが止めるのに、今日に限って私が止めてない?
っていうか、これからずっとこんなことになりそうな予感が……
――あとがき――
お世話になります。昨日も申し上げた通り、ノクターンノベルズで18歳以上の上品な方向けの物語でも投稿しております。カクヨム版では今後サラリと少女たちとの事後になったりとかが出てきたりしても、優しく見守ってやっていただけたら嬉しいです。
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