好きって感情……教えて……?

SUtyan

第1章 出会い

第1話 はじめまして……?

「────っ!」


 微かに声が聞こえた。

 そちらを見てみると校舎の陰だった。告白かな?とか思いつつ気になったので近付いて盗み聞きしてみる。……自分でもよくないと思います まる


「何がダメなんだい?」

「何がとかではなく、私はよく知らない人とは付き合えません」

「それはこれから知っていけばいいと思うんだけどな」


 なるほどなるほど

 男の方が告白して、断られたのに食い下がってる感じか。

 ちらっ、とどんな人か覗いてみる。

 男の方は知らないな。まあ、入学してまだ一週間だし当たり前か。胸ポケットから覗く生徒手帳を見てみると。

 わあ、先輩だ。

 この学校は学年毎に生徒手帳のカバーの色が違う。

 女の子の方はっと。


 ん?

 なんか見たことある顔だな。

 ……ああ、新入生代表で喋ってた子か。確か名前は佐藤さんだっけか?まっ、見た目いいしさぞモテるんだろな~。なんて思ってたらチラチラ助けを求めるかのようにこっちを見てきた。

 あらあらバレてーら……


 まあそれだけ見てきてれば先輩も気付く訳で、

「なんか用か?」


 しょうがない。彼女も困ってるみたいだし助けてあげるか。


「ええ、と言っても用があるのは先輩じゃなくてこっちの子ですが」

「え、私?」


 きょとんとした顔で首を傾げながらこっちを見る。

 え、なにそれ可愛い。


「そそ、さっき先生が佐藤さんのこと捜してたよ。見つけたら連れてきてって。なんか急いでたから早めに行った方がいいかも」

「そうでしたか。わかりましたすぐ行きます。それでは先輩、失礼します」


 二人で軽く頭を下げてから校舎に向かう。


「ありがとね、助かったよ」

「……どういたしまして、正直ほっときたかったんだけど?」

「あらごめんなさい、でも覗き見するのが悪いんですよ?」

 ごもっともである……


「それではお気をつけて」

「それは俺の台詞、んじゃサヨナラ」

「ええ、


 ……また今度?まあいい。早く帰って寝よ。





今後二度と関わることはないと思ってたのに、こんな早い再開を果たすとは……

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