一覧

回文短歌風(目指せ二百首)五十首詠


001

釧路夜も 悲しいベルか 巣立つ夏 助かる兵士 仲もよろしく

くしろよも かなしいべるか すだつな(つ たすかるへいし なかもよろしく)


002

離せ鳩 危険な濃度 動かぬか 行動の難 檄飛ばせなば

はなせはと きけんなのうど うごかぬ(か こうどうのなん げきとばせなば)


003

来るアレが 育ち幾分 渋い甥 婦人服市 たそがれ歩く

くるあれが そだちいくぶん しぶいお(い ふじんふくいち たそがれあるく)


004

地の泉 巡り田着くも ごねた沙汰 猫もぐったり 汲め水命

ちのいずみ めぐりたつくも ごねたさ(た ねこもぐったり くめみずいのち)


005

花の散る 台地度々 清め雨 良き日旅立ち 至る地の名は

はなのちる だいちたびたび きよめあ(め よきひたびだち いたるちのなは)


006

時価落ちた 株貯め支配 ダウ高だ 歌い始めた 部下たち可笑し

じかおちた かぶためしはい だうだか(だ うたいはじめた ぶかたちおかし)


007

盛岡の 叔父暮らす宿 壺焼き屋 ホッと安らぐ 潮の香りも

もりおかの おじくらすやど つぼやき(や ほっとやすらぐ しおのかおりも)


008

愚図る猫 いい子猫の子 子猫の子 猫子の小猫 いい子寝るすぐ

ぐずるねこ いいこねこのこ こねこの(こ ねここのこねこ いいこねるすぐ)


009

永久に 探る絵描きが 遠く描く 音が着替える 草に絵仕事

とこしえに さぐるえかきが とおくか(く おとがきがえる くさにえしごと)


010

ラブラブで 高い鰹と 氷下魚買い 孫とお使い 片手ブラブラ

らぶらぶで たかいかつおと こまいか(い まごとおつかい かたてぶらぶら)


011

飛んで舞う 朗らここも ツイてるで いつもここから 家宝待てんと

とんでまう ほがらかここも ついてる(で いつもここから かほうまてんと


012

出し合った 人減らし維持 なかなかな 悲しい調べ 飛び立つ明日

だしあった ひとへらしいじ なかなか(な かなしいしらべ とびたつあした)


013

気も折れた 見捧げ祈れ 川持ちも 別れの池さ 五月雨重き

きもおれた みささげいのれ かわもち(も わかれのいけさ さみだれおもき)


014

日の目ある 高跳び色師 名は知らじ 鼻白い人 語る雨の日

ひのめある たかとびいろし なはしら(じ はなしろいひと かたるあめのひ)


015

名が響き 踊りつ舞うよ 動き良き 紅葉祭り 遠き日々かな

ながひびき おどりつまうよ うごきよ(き こうようまつり とおきひびかな)


016

昼生えの まあレアな草 位置印し 小さくなあれ 尼の絵貼る日

ひるばえの まあれあなくさ いちしる(し ちいさくなあれ あまのえはるひ)


017

てんこ盛り 都民は地位か 暮らし良し 楽が一番 緑も込んで

てんこもり とみんはちいか くらしよ(し らくがいちばん みどりもこんで)


018

何時起爆 用心金庫 告げて待て 結婚禁じ 右翼はキツい

いつきばく ようじんきんこ つげてま(て けっこんきんじ うよくはきつい)


019

戻り庵 僻地の海豚 夏の日の 繋がる命 詭弁アリとも

もどりあん へきちのいるか なつのひ(の つながるいのち きべんありとも)


020

誰足すも ヤバい時かな 騙す明日 まだ長き問い 早も廃れた

だれたすも やばいときかな だますあ(す まだながきとい はやもすたれた)


021

カルト・オン メラニン消せる 他愛無い 渡る世間に 裸面踊るか

かるとおん めらにんけせる たわいな(い わたるせけんに らめんおどるか)


022

母の世話 足すら怪異 若者も 可愛いカラス 幸せの場は

ははのせわ あしすらかいい わかもの(も かわいいからす しあわせのばは)


023

戒めか した懺悔嘘 田舎画家 内臓検査 確かめじまい

いましめか したざんげうそ いなかが(か ないぞうけんさ たしかめじまい)


024

損なうよ まさか嘘ムウ 像示し 有象無象が 彷徨う名こそ

そこなうよ まさかうそむう ぞうしめ(し うぞうむぞうが さまようなこそ)


025

山小屋で 付き添い泣いた 積もれ触れ 勿体ないぞ 切手や駒や

やまごやで つきそいないた つもれふ(れ もったいないぞ きってやこまや)


026

響いたり 友ら大胆 世事歌う 自然抱いたら 戻りたい日々

ひびいたり ともらだいたん せじうた(う しぜんだいたら もどりたいひび)


027

家臣知る 迫る移官に 胃は痛い 売人がいる ませる人事か

かしんしる せまるいかんに いはいた(い ばいにんがいる ませるじんじか)


028

角触る 子鬼と炬燵 真かと 困ったことに 怒る態とか

かどさわる こおにとこたつ まことか(と こまったことに おこるわざとか)


029

猫は野良 鉄釜寒し 野点待て 愉しむ様が 伝手らの箱根

ねこはのら てつがまさむし のだてま(て たのしむさまが つてらのはこね)


030

死ぬ思い 何この桁の 高利アリ 雨後の筍 担いもお主

しぬおもい なにこのけたの こうりあ(り うごのたけのこ にないもおぬし)


031

場に来てる 類なき手も 担い合い 何もできない 下る敵には

ばにきてる たぐいなきても にないあ(い なにもできない くだるてきには)


032

天が浮く 不安足元 コネだけだ 猫ども試案 泡浮かんで

てんがうく ふあんあしもと こねだけ(だ ねこどもしあん あぶくうかんで)


033

気障が伸す ぶっ飛び医師ら 他愛ない 新しい人 潰すのが先

きざがのす ぶっとびいしら たあいな(い あたらしいひと つぶすのがさき)


034

菌検査 医師利発さで ケア暫し 上げてさっぱり 爺さん元気

きんけんさ いしりはつさで けあしば(し あげてさっぱり じいさんげんき)


035

泣かれた身 嘘バレず留守 唾吐き ハッスルすれば 総乱れかな

なかれたみ うそばれずるす つばきは(き はっするすれば そうみだれかな)


036

流し網 賽の目変わる F分布 増えるワカメの 勇み足かな

ながしあみ さいのめかわる えふぶん(ぷ ふえるわかめの いさみあしかな)


037

弟子入らば 掘り出しか皿 騙りアリ 宝探しだ リボ払いして

でしいらば ほりだしかさら かたりあ(り たからさがしだ りぼばらいして)


038

つい弾み 兄と捨てる気 理は憩い 張り切るテスト ニアミスは何時

ついはずみ あにとすてるき りはいこ(い はりきるてすと にあみすはいつ)


039

詰めは誰 絶たれた家紋 罌粟示し 事件も語れ 爛れた破滅

つめはだれ たたれたかもん けししめ(し じけんもかたれ ただれたはめつ)


040

酒に酔う 恋の落差と 渋く泣く 富士と桜の 憩う夜逃げさ

さけによう こいのらくさと しぶくな(く ふじとさくらの いこうよにげさ)

 ※ 夜逃げさ(よにげさ)/世に華座(よにけざ)


041

毒団子 崩れた畠 火事の日の 仕掛けたは誰 すぐコンタクト

どくだんご くずれたはたけ かじのひ(の しかけたはだれ すぐこんたくと)


042

田子語れ 若人に見た 鎹か 姿見に問う 毀れた過去だ

たごかたれ わこうどにみた かすがい(か すがたみにとう こわれたかこだ)


043

叔父と昼 忘れず喚き 知育なく 位置決め忘れ 座る一入

おじとひる わすれずわめき ちいくな(く いちぎめわすれ すわるひとしお)


044

勝つも手間 遂に帰途騎士 錆び付きつ 久しき時に 何時まで持つか

かつもてま ついにきときし さびつき(つ ひさしきときに いつまでもつか)


045

以前知る この神園の 祭り去り 妻の望みか 残る人生

いぜんしる このかみぞのの まつりさ(り つまののぞみか のこるじんせい)


046

視点知る 敵らが余波も さあドンと 朝も早よから キテる新弟子

してんしる てきらがよはも さあどん(と あさもはよから きてるしんでし)


047

したか聞け 何時か首噛む 雀舐め 進むか退くか 追撃難し

したかきけ いつかくびかむ すずめな(め すすむかひくか ついげきかたし)


048

毒団子 遂に決断 痒み忌み 歪んだツケに 何時コンタクト

どくだんご ついにけつだん かゆみい(み ゆがんだつけに いつこんたくと)


049

建った城 ノアの形見か 縞示し マジか三鷹の あの路地だった

たったしろ のあのかたみか しましめ(し まじかみたかの あのろじだった


050

夜遭うか 独りと知らば キナ臭く 啼き腫らし鳥 飛び交うある夜

よるあうか ひとりとしらば きなくさ(く なきはらしとり とびかうあるよ)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る