日本の電力の約四割が、実はセックスとオナニーでできていた。

石田じゃが娘

第1話

「東京電力東新宿発電所の所長をやらせていただいています、御厨と申します。『ミクリ』ってすごく変な苗字なのだけど、よろしくね」


 ミクリ所長は、年下の私に対して、丁寧にかつカジュアルに挨拶してくれた。コミュ障な自分にとっては、すごくありがたく業務的で、看護師のように慈愛に満ちた態度だった。


「双葉ヒカリさん。えーっと、高校卒業したばっかりで、春から美大に進学する、と」


 さきほど提出していた履歴書に、ミクリ所長はさっと目を通す。


「はい」


「志望理由は深くは聞かないから。稼ぐためだってこともバイトに応募した時点でわかる。個人にはプライバシーってものがあるし、そこは尊重する」


「ありがとうございます」


「じゃあ早速、一個質問してもいいかな? 」


「なんでしょうか」


「オナニーできるよね?」


 私は口をあんぐりと開いたまま止まらなかった。

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