第20話 猫とおっぱい
その男の狭い部屋には3つ檻があった。
それぞれの檻には猫が一匹づつ入れられていた。
猫はニャアニャアと鳴いていた。
男はうるさそうにする。
男の机の上には、黒いコンピューターと読まない郵便物が無造作に積まれていた。
そして、おっぱいがいた。
男はコンピューターを起動する。
パスワードを入力し、左手でマウスを操作した。
それから、右手でおっぱいを触る。
男にはおっぱいは見えていない。
しかし、あるとき気づいたのである。そこにおっぱいがいると。
おっぱいは、おそらく異世界の人間のおっぱいである。
そして、それは、おっぱいのまま生きていた。
性別は分からない。いや、おっぱいに性別なんてあるのか分からないが。
男の浅黒く太い指が触るたび、おっぱいはイヤそうにした。
そのそぶりを感じて、彼は苛立ちおっぱいを強く握った。
おっぱいは「いゃゃゃゃゃゃーーー」と叫ぶが、その声は男には聞こえない。
三匹の猫が何かを感じたのか「シャーーー」と威嚇する。
おっぱいはもう我慢できないとばかりに魔法を発動した。
「おっぱい・ファイアーーー!!!」
しかし、その魔法は男の衣服を黒焦げにしただけであった。
男の上半身ははだけ、昔は筋肉質であったろう体が露わになった。
「困ったおっぱいちゃんだねえ、大人しくしていてよ」
「いゃゃゃゃゃゃーーー、触らないでぇぇぇーーー」
その声はやはり男には聞こえないが、イヤがっていることはそぶりで分かる。
男はまた強くおっぱいを握った。
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