第4話 未成年
『異世界キノコ』は赤い子実体に白い斑点がブツブツのようについている。
不気味な姿だ。
その異世界キノコがそのパンチパーマにくっついていたのである。
不良生徒はパンチパーマを『異世界キノコ』と言われたと思い、
「い、異世界キノコだと、この野郎」と怒った。
「はい。異世界キノコ……」
パンチパーマは、言い終わらないうちに殴りかかってきた。
しかし、神崎は自分ではまったく自覚がないのだが、意外と力が強いのである。
彼はパンチパーマの腕をつかむとグイと引っ張り、頭についていた異世界キノコをとってあげたのだ。
「とりました」
神崎はそう言って『異世界キノコ』を見せたのだが、反応が無かった。
そのとき初めて、どうも自分以外の者にはこういった類のものが見えないようだということに気づいたのである。
しかし、思わぬ効果があった。異世界キノコをとった瞬間から彼は体調がとても良くなったらしい。
体調が良くなった理由は分からないが、彼は喜び、神崎のことを無二の親友と言うようになったのである。
不良達から一目おかれるようになり、神崎のスクールカースト的順位が上がったのだ。
***
さて、話しを元に戻そう。
警官はため息をつき、事務所内を覗いた。
少女はまだソファーで寝ている。
警官が来ているのに目を覚まさないのだから、なかなかの胆力だ。
しかも、彼女もまた頭の上に『スライム』を乗っけている。
それはそうと、ソファーは事務所玄関からまる見えだ。
神崎はしまったと思った。
彼女は未成年だ、しかも美少女だ。警官に見られてはまずいか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます